肆 ページ8
「だから云っただろう。それが君に与えられた罰なのだと」
この罰は私には重過ぎる。
否、私の之迄の行いが酷過ぎた結果か。
重い岩が私を押し潰そうとするかの如く、私にとって最悪であろう罰が
神は何処からか取り出した懐中時計を見て、時間が迫ってきたと云い、目線を逸らそうとした私の肩を掴んで確りと目を合わせてきた。
「違う世界に飛ばす事は過去に何回か例があってね、基本自由にして貰って構わないんだけど一つだけ破ってはいけない
早口で告げる神は念押しするかの様に例の所を少し口調を強めて云うと、ふわりと私の頭を優しく撫でた。
「御免ね、君にとって一番辛い罰を与えてしまって……だからもう之以上罪を重ねないでね?次に待つのは“死よりも辛くて苦しい裁き”だ。僕は君にその裁きを下したくない。ちゃんと罰を受けて新しい人生を送って欲しい。勿論生き易い様に少し特典もあげる」
神は頭に乗せていた手を目を覆う様に被せてきた。
そして健闘を祈るよと云って短い呪文を唱えた。
何でも善かった、何でも善いから反論しようと思い口を開こうしたが私の意識は遠のいてしまった──。
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「之で善かったのかい?」
Aを飛ばした後、少しして神は後ろを振り向き問うた。
何も無い白い空間、そう思われていた此の場所には人間には見えない柱が何本かあり、その一つの影からひょこりと茶髪の可愛らしい少女が顔を出した。
「うん、善いの!有難う神様」
その少女は先程までAが居た場所を少し悲しそうな表情で見ていた。
「お姉ちゃんには死にそうだった所を助けて貰ったし楽しい思い出も沢山貰った。だからね、皆でお姉ちゃんの今回の仕事が終わったら恩返ししようって計画してたの……まぁ出来なかったけどね」
少女は神の方に向き直った。
「せめて彼方の世界ではお姉ちゃんには諦めてしまった夢を叶えて欲しいんだ」
「僕もそう思うよ……却説そろそろ時間だ
「うん、判った!」
少女は振り向き笑った。
──頑張ってね、お姉ちゃん。
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黒龍(プロフ) - 様々なオタクさん» もしやSAOの……?() (2021年6月12日 19時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
様々なオタク - ヴァッサーゴ?!ヴァサゴ?!POH?! (2021年6月12日 18時) (レス) id: eccd7c5314 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 布教する猫さん» コメントありがとうございます!更新に関しましては不定期になりますが頑張ります^^ (2021年1月16日 11時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - すっっごく面白いです!!更新頑張って下さい!!(* ´ ▽ ` *) (2021年1月14日 20時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - じしゃくさん» コメントありがとうございます!そして、そこに気付いて頂けて凄く嬉しいです……!! (2020年3月29日 17時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒龍 | 作成日時:2018年5月21日 1時