弐拾玖 ページ35
「中也君。自分が命令を拒める状態に無い事は判っているね?太宰君もだ。先代派に知れたら私の共犯者である君も、そしてA君迄拷問を受ける事になる。楽に死ねなくなるし大切な人を守れなくなるよ」
「……それが最適解である根拠は?」
じっと首領の方に視線を向けている太宰さんの手に少しだけ力が籠った。
そして首領はその問いに答えるべく二人の方を向き、目を閉じた。
口元には相変わらず笑みが浮かんでいる。
「二人を組ませる理由は幾つかある。まずはポートマフィアではない人間の方が聞き込みが容易だし、中也君が裏切らない様に監視も必要だ。そして____」
台詞の続きを待つ太宰さんと中也さんは揃って身を乗り出した。
だが首領は暫く言葉を口の中で転がした後、微笑んで云った。
「後は秘密だ」
*
『流石首領ですね。たった一言で二人の喧嘩を止めるなんて』
「話が進まないのは合理性に欠けるし、何よりA君が困ってたからねえ」
『ふふっ、助かりました』
見るからに高級感漂う椅子に座り、頬杖し乍らニッコリと微笑する首領は迚も絵になっている。
「却説、徐々A君の任務について話そうか。今回の件はあの二人の実力を見たいからね、君には監視役を頼むよ」
『監視役ですか?了解致しました』
「後、若しもの話だけれど
『……仰せのままに』
右手を胸元に添え左手は後ろに、そして軽く礼をする(例とすれば、某執事漫画に出て来る悪魔の執事がしているあの礼だ)。
基本危ない目にあってもあの二人ならば大丈夫そうだが、まだまだ彼等も子供である事に違いは無い。
怪我は成る可くして欲しくないので好都合だ。
精々出番があるとすれば……あの
『では首領、私は之で失礼致します』
一礼して執務室を後にする。
取り敢えず今は目立たない様に蘭堂さんと共に居る事にしようか……別れが近いんだ、これぐらいの我儘は許してもらおう。
━━━━━━━━━━━━━━━
今更なんですけど、Aは前世で織田作ポジだったので天然なんですよね。
今は役を演じている様なモノなのでマシですが突っ込み不在になると…………この小説かなりカオスになる()
400人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒龍(プロフ) - 様々なオタクさん» もしやSAOの……?() (2021年6月12日 19時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
様々なオタク - ヴァッサーゴ?!ヴァサゴ?!POH?! (2021年6月12日 18時) (レス) id: eccd7c5314 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 布教する猫さん» コメントありがとうございます!更新に関しましては不定期になりますが頑張ります^^ (2021年1月16日 11時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - すっっごく面白いです!!更新頑張って下さい!!(* ´ ▽ ` *) (2021年1月14日 20時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - じしゃくさん» コメントありがとうございます!そして、そこに気付いて頂けて凄く嬉しいです……!! (2020年3月29日 17時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒龍 | 作成日時:2018年5月21日 1時