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感情がないはず ページ36

さとみside


『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…っ!ごめんなさいっ!』


俺の目の前で急に耳を塞ぎながら同じ言葉を連呼している蒼井さん


さ「蒼井…さん?」


あまりの急の出来事に俺は驚きを隠せずにいた


『あっ…ごめんな…さい』


このとき俺は初めて彼女の“涙”を見た


感情がないなりの無表情の涙


だけどそれは“偽り”のものじゃなくて


何かに対しての大きな恐怖を感じさせた


蒼井さんはなんでこんな仕事をしてるの?


こんなに苦しんでいるの?


…なにが彼女を苦しめているの?


バタッ


よろめいて倒れた蒼井さんを抱えて俺はころんとは違う病室に連れていった


その間も小声で蒼井さんが『ごめんなさい』を連呼していたのは


気づかなかったふりをしよう





さ「ごめんなさいってどういうこと?」


ベッドに座らせるなり俺はすぐに聞きだした


蒼井さんはずっと一点を見つめて動かない


でもこれはある意味チャンスなのかもしれない


『おか…さん』


さ「お母さん?」


俺の問いかけには応えようとしないがなにか言おうとしてることはわかる


これを聞き出せばここから出る手がかりになるかもしれない


ころんは無事だったんだ


死んだわけじゃない


俺との記憶はなくても


存在してるんだ


何折れそうになってたんだ俺!


俺はそんな簡単に諦める男じゃねぇだろ!


だから俺は今できることを精一杯やらなきゃ行けない


と前向きに考えたのもつかの間


この次の蒼井さんの言葉で俺はまた悩むことになるのだった


『お母さん…ごめんなさい

“殺しちゃって”』


さ「え…お母さんを殺したの…?」


『はい』


急に一点を見つめていた表情が動いた


かと思うと俺は手首を掴まれた


『すみません、少し喋りすぎてしまいました』


『ふふっ』と上品に笑う蒼井さん


だけど目は完全に笑っていない


まるで「お前は知りすぎてしまった」って言うように


『せっかくだから、全部聞いてもらいましょうか』


意外にも俺の手首を解放してベッドに座り直す蒼井さん


俺は大人しく聞くべきなのか…


なにか知ってからは戻れないような気がする


俺は軽く蒼井さんを睨んだ

本当のこと→←昔からずっと



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azusa(プロフ) - いちごパフェさん» 蒼井さんと遠井さんwww確かに読み違えそうですねw更新頑張りますね! (2019年7月8日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ↓話の感想じゃなくてすまぬ。この作品とっても大好きです!更新頑張ってください!続編も楽しく読ませて頂きます!! (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ジェルくんsideの時、蒼井さんを遠井さんと読み間違えてしまう。やばいな、私… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
azusa(プロフ) - Ruruaさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年6月28日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rurua - すごい…物語の展開が好きすぎる…というかころんくんが好きすぎる… (2019年6月28日 7時) (レス) id: 7771d21199 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:azusa | 作成日時:2019年5月23日 20時

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