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昔からずっと ページ35

Aside


私は昔から人の心を動かすことが得意みたいだった


動かすと言っても操るとは違うわけで


言葉でどうにか誘導するのが得意だっただけなんだけど


だから、今もこうして桃野先輩に“思い込み”を作らせることが出来た


人間なんて誰かの言葉を頼りにして生きる生き物


結局自分の意見なんて尊重されることはほとんどないのだ


誰かひとりの“強い立場の者”がみんなを動かすだけ


人間なんて誰かの操り人形に過ぎないのだ


もちろんそれは私も論外では無いもので


私だって誰かの意見にのまれて生きている


半分操られたような状態で生きている


変なところだけ人間と同じなんだ


人間のような豊かな感情はどう望もうが手に入らないというのに


それでも私は生きる


私のために


私を待ってる人なんていないから


私は誰かのためなんかじゃなく私のためだけに生きる


存分に楽しいことをして


バッドエンドを作って


人間の絶望した顔を見て


笑う


たとえそれがホントの笑いじゃなかったとしても


私は私の“願い事”のために委員会で仕事をする


望みなんて今更


叶うわけない


私は望んじゃダメな子


幸せになっちゃダメな子


ってあの人は毎日寝る前に私に言い聞かせてた


背中をポンポンって少し強く叩きながら


あぁ、この話をしている時あの人はいつも


光のない絶望の目をしていた


それが嫌いだったかと言われるとそんなことないのだが


もしかしたら私が人間の絶望した顔が好きなのは


これが原因と言えるのかもしれないね


だよね?


“お母さん”


あの日


私が家出したあの日


私はあなたを刺しました


憎かったんです


いつもニコニコしているあなたが


憎かったんです


豊かな人間特有の感情を使って楽しそうに人間らしく生きていたあなたが


憎くて仕方なかったんです


私には無いものを持っていたお母さん、あなたが


怖かったんです


お母さんは感情があるからすぐ怒る


私には理解できないことでした


お母さんはよく映画を見て泣いてましたね


不思議がって『なんで泣いてるの?』って幼い頃の私は聞きました


そしたらあなたは


「大丈夫よ、感動しちゃっただけだから」と言って微笑むのでした


その笑顔も


怒った時の顔も


全部感情のない私には到底理解できないもので


とても怖かったのでした


ごめんなさい


あなたを殺したのは


あなたの娘の私でした

感情がないはず→←いじわる



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azusa(プロフ) - いちごパフェさん» 蒼井さんと遠井さんwww確かに読み違えそうですねw更新頑張りますね! (2019年7月8日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ↓話の感想じゃなくてすまぬ。この作品とっても大好きです!更新頑張ってください!続編も楽しく読ませて頂きます!! (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ジェルくんsideの時、蒼井さんを遠井さんと読み間違えてしまう。やばいな、私… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
azusa(プロフ) - Ruruaさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年6月28日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rurua - すごい…物語の展開が好きすぎる…というかころんくんが好きすぎる… (2019年6月28日 7時) (レス) id: 7771d21199 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:azusa | 作成日時:2019年5月23日 20時

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