タイムチェーン -JK&TH- ３

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ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢逃げないで｣



思わず体を強張らせたのは
嫌なわけでも驚いたからでもない



『うん』



　･･･温かい



こうしてグクに抱きしめられたのは
実は初めての事で、

手を繋いだことしかない私たちは
まるで高校生に戻ったかのように
恥ずかしくて懐かしい感覚の中にいた




ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢俺がここに来たのはさ
　なんとなくじゃ･･ないんだよね｣


『え？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢さよならしようとした･･･過去に｣



ググの大きな手は
雪で湿った私の後頭部を柔く掴む



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢だけど、出来なかったね
　パク･･･ここにいるんだもん｣


『私も、何度もしようとしたんだよ？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢そうなの？｣


『うん･･･
　
　でもね、
　いつもそれを置いていこうとするのに
　私の後をついてきて離れなくて･･･

　結局、それは無理だって気づいた』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢･･･そっか｣




気づかないふりをした私を
最後に突き放してくれたのは
紛れもなくテヒョンだった



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢なぁ、パク｣


『ん？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢多分、俺たち高校の時に
　やり残した事も、誤解してた事も、
　後悔したままのもいっぱいあるだろ？｣


『･･･うん』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢でさ･･･
　パクはパクで、俺は俺で
　それぞれ違う時間を過ごしてきたじゃん？｣


『うん、そうだね』



私が今まで過ごしてきた時間には
いつも側にテヒョンがいて、
それは確実に今の私を
こうしてここに立たせていると思うんだ



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢それ･･･取り戻せないかな｣



違う時間を過ごしてきたグクの声は
前よりずっとずっと凛としてる



『過ぎた時間は取り戻せないよ、グク』



時計はどうやったって左には回らない



テヒョンと過ごしてきた時間は
私にとってかけがえのないものだった


なかった事なんて否定したくない



『でも･･･後悔したことなら取り戻せる』



だから

それを全部抱えていくの



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢･･･ぇ？｣


『また一緒に新しい時間を繋ごう？』



過去と今の時間の鎖は
一連に繋がって“未来”を作るんだから




『私はグクと一緒にいたい』



やり残した事はこれからやればいい




ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢一緒にいて、今度こそ｣




だって、



私たちには

まだたくさん時間があるのだから

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