90minutes -TH-

笑えない内容 ページ7

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初めにそんな弱い姿を見ちゃったから
彼女はてっきり脆い女のコなのかと
思ってたけど実際は全然違った



『私さぁ･･･
　元彼に騙されちゃって
　借金肩代わりしてるんだよねー』



お互いの名前さえ知らないまま
出会って30分も経たないうちに
俺と彼女はホテルの１室にいて

彼女はとてもじゃないけど笑えない内容を
皮肉笑い混じりに話してくれた



『でさ･･･その元彼が借りたのが
　結構ヤバめのとこで
　今そこがやってるお店で働いてるってわけ』


ﾃﾋｮﾝ｢そんな･･･だってそれ
　キミのせいじゃないのになんで｣


『それで話が通じる相手じゃないしねー』



ベッドに腰掛け
諦めたように天井を見上げる



ﾃﾋｮﾝ｢それ･･･逃げられたりしないの？｣


『逃げられない』



キッパリと強い口調



ﾃﾋｮﾝ｢でも･･･｣



そうゆう裏の世界のことなんて
俺には全然わからなくて
無知が故に浅はかだった･･･



“彼女を逃がしてあげたい”だなんて
望まれてもいない事を思ったんだから



『地の果てまで追ってくる奴らに
　一生怯えるくらいなら
　少しの間耐えたほうがマシだよ』


ﾃﾋｮﾝ｢･････｣



言葉も出ないよ･･･非現実的すぎて



『それに私がいるところは
　そうゆう連中のやってる店の中でも
　かなり待遇いいから』


ﾃﾋｮﾝ｢待･･遇･･･？｣


『うん』



備え付けのハート形のクッションを
抱きかかえて苦笑いする姿が痛々しく見える



『ルールさえ守れば危害も加えられないし
　取り分もちゃんと折半だし、
　真面目･･･っていうのもおかしいけど
　ちゃんとしてれば割と自由も利くし

　なにより･･･』



少し躊躇い



『それ系の“漬け”にされることもない』


ﾃﾋｮﾝ｢え･･･｣



自分の息が一瞬止まって
タラリと嫌な汗が流れるのを感じる



　待てよ･･･それって･･



ホントに笑えない

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