75回目の告白 ページ4
.
今日は待ちに待ったバレンタインデー
先月からレシピを何度も試行錯誤し、五条先生にはとびきり美味しいチョコを作って渡す最高の作戦
… だったのだが
「 嘘でしょ … 」
五条先生は既に両手に抱えきれないほどのチョコを持っている。もはや芸能人の域
夜中まで納得が行くまで何度も作り直して、ラッピングも何回とやり直しをした。でも結局相手にはされない、と自分に言い聞かせ、持っていた箱ををぐしゃっと握りしめる
「 自分で食べるか … 美味しそうだし 」
そう1人で呟いた
──── つもりだった
五「 なーに言ってんの 」
「 うわぁ! 」
急に後ろから聞こえてきたので驚きのあまり、チョコを地面に落としてしまった
背後に立っていたのは勿論五条先生
「 びっくりさせないでくださいよ … 」
五「 ごめんごめん、僕に渡す物あるでしょ 」
「 … 無いですけど 」
目を逸らしながら手から離れたチョコを隠そうと
手元を探るがなかなか見つからない
五「 ま、もう貰っちゃったけどさ 」
「 は!? 」
下を見ると手元に落ちていたはずのチョコが消え、それは五条先生の右手にあった
「 いつ取ったんですか! 」
五「 んー、いつだろうね 」
「 私のより他の子のチョコが良いくせに … 」
地面に三角座りをして頬を膨らませた
だが五条先生は私の声など聞きもせずに箱を開けていく
そして私が作ったガトーショコラをぱくっ、と口に入れると「 うわ、おいしい 」と声を出した
五「 Aって料理の才能あるんじゃない?
砂糖多めだしやっぱり僕のこと分かってるね 」
ベタ褒めしてくれる五条先生だけどどうせただの機嫌取り。演技感が半端ない
すると私の目線に合うようにしゃがんで耳元に近寄り「 あとさ、 」と呟いた
五「 僕、A以外のチョコは食べないつもりだよ
他の子なんて興味無いし 」
「 へ … ? 」
そう言って五条先生は立ち上がり、ひらひらと手を振りながら去っていった
「 いや、何それ … 愛してます 」
五条先生には聞こえないくらいの声でそう言った
.
224人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - あらら、おめめから海水が。…あ、涙だ (2021年5月15日 20時) (レス) id: 262b3e9786 (このIDを非表示/違反報告)
ひお(プロフ) - もちもちさん» ポケットからきゅんですっ(?) (2021年2月28日 19時) (レス) id: ddfb5a6642 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - きゅん! (2021年2月28日 18時) (レス) id: 35a64f1103 (このIDを非表示/違反報告)
ひお(プロフ) - 莉璃果さん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてうれしいです!!(><) (2021年2月28日 13時) (レス) id: ddfb5a6642 (このIDを非表示/違反報告)
莉璃果 - 初見です!!!すごい甘々でキュンキュンキュンしました!!!いい作品をありがとうございますm(_ _)m (2021年2月28日 11時) (レス) id: 26fb4aff77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひお | 作成日時:2021年2月27日 12時