同い年の男の子 第2章【まふまふ】

88話 雅side ページ42

お母さんが死んだ
ついさっき
ずっと泣いた
お姉ちゃんも、泣いてた
お父さんも、俯いてたけど
ずっと泣いてた


解散ってなって
お姉ちゃんが先に病室を出た
お父さんは、
父「少し、2人にしてくれないか？」
って言ってたから


私も帰った


"誰もいない家に"



なんか、寂しい
ずっと寂しい
るぅとくんとお姉ちゃんがああゆう事あってから？
それとも、お母さんがアルツハイマー病にかかった時から？
違う、ずっと
お母さんがアルツハイマー病になる前から
寂しかった



上辺だけでしか見られてないんじゃないかって
褒めてくれるのは、お姉ちゃんがいつもそばにいてくれてるからなんじゃないのかって



さ「あれ？雅、さっきぶりだな笑」



なんであんたは……いつも…ｯ
重要な時にそばに居んのよ…ｯ


さ「え!?なんで泣いてんだよ!?」
雅「ｯ…ｸﾞｽｯ」
さ「えぇ…って俺が泣かせたみたいになってるから、取り敢えず…家！」
雅「家…誰もいない…」
さ「はぁ!?じ、じゃあ俺ん家！」
雅「え？」
さ「いいから！」



腕を引かれてさとみの家に



さ「何があったんだよ」
雅「死んだの」
さ「は？」
雅「お母さんが死んだの」
さ「それって…さっき？」
雅「そう」



それから全部話した
悲しいことも、寂しいことも
真剣に聞いてくれた



雅「愛されてたのかな…」
さ「いや、十分に愛を貰ってたろ」
雅「上辺だけじゃん」
さ「それがどれだけ幸せか……お前にはまだ分からないのか？」
雅「え？」
さ「芯から愛してもらおうなんて恋人ぐらいにしか出来ねぇよ」



恋人って……
まるで、それ



さ「家族からも、友達からもお姉ちゃんからも愛されたじゃん、それでも足りない？」
雅「だって……」
さ「じゃあ、次からは……」


ぎゅ


抱きしめてくれ…るの…？


さ「俺が全部愛しちゃだめ？」

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