五月雨オネスティー！ ページ45
どちゃくそに散々怒られたあと、横で座っていた寮長さんが立ち上がった。
｢リドル？今はなにも考えなくていい。寝てろ｣
｢あーっ、そうやって甘やかすから、ちょっと怒られただけで暴走とかするんすよ！
庭は無茶苦茶だし、こっちもやばいとこだったんだからな！｣
｢確かにやばかったな｣
｢まったく。ストレスを溜めるとろくなことがねぇんだゾ｣
ん……？
自分の袖を見てみると、リドル寮長が私の袖を掴んで何やらモゴモゴしていた。
『……？リドル寮長？』
｢…………。僕……本当はマロンタルトを食べたかった｣
『あ……』
――伝えたいこと伝えて……
寮長さんはさっき私が言ったことを……。
一一そんで、間違ってたら、正してくれる人が周りにいるって今日証明できたじゃないですか。
簡単な事のように言っちゃったけど、寮長さんにとってそれは今までの自分を否定することになる。
けど、変わろうとしてるんだ。
怖いっていう感情がそこにあるのも、袖越しに震えとなって伝わってきた。
｢薔薇は白だっていいし、フラミンゴもピンクでいい。お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし、レモンティーよりミルクティが好きだ。
みんなと食後のおしゃべりだってしたい……｣
｢リドル……？｣
袖を掴む手に力が入った。
｢ずっと、もっとトレイたちと、遊びたかった……う、うう……うううっ……わぁあああん！｣
リドル寮長の目から大粒の涙が溢れ出した。
袖を握っていただけの手は、もう片方で涙を拭いながらも、手で私の腕をギュッと握りしめていた。
｢うっそ……。あのリドルくんがギャン泣きしてる……｣
言葉にしてみて尚更、自分で今まで我慢を自覚してしまったのかもしれない。
｢おいこら！泣けば許されると思うなよ！あとなんでAの腕にくっついてんだよ！｣
｢お前もたいがい空気読まないな……｣
｢器が小さい男なんだゾ｣
.｢エース、グリムに言われてるぞ、こりゃ末期だな｣
｢ふなぁ!?どういう意味だ!!!!!｣
.｢声でけぇって｣
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トランプの化け物(プロフ) - 藍の華さん» ありがとうございます!!!更新遅めですが頑張ります！ (2021年1月11日 14時) (
レス) id: 0c97056075 (このIDを非表示/違反報告)
藍の華 - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください！応援しています! (2021年1月6日 17時) (レス) id: a501129fb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2020年12月24日 12時
