状況イグザサベイト！ ページ29
吹っ飛んでった寮長の頬は赤くなっていた。
予期しなかったことに、場内が騒然としている。
『ちょ、エース…何して……』
｢あー、もういい。寮長とか、決闘とか、どうでもいいわ｣
｢痛……え？僕、殴られた……？｣
寮長さんはいまいち何が起きたのか理解が追いついていない様子だ。
｢お、おい、エース！｣
.｢バカ、抑えろって｣
エースはユウとデュースが押えていなければ、寮長さんに襲いかかろうとする勢いだった。
｢子供もは親のトロフィーじゃねーし！子供の出来が親の価値を決めるわけでもないでしょ。お前がそんなクソ野郎なのは親のせいでもなんでもねーって、たった今よ〜くわかったわ！｣
エースはユウたちの押さえを振り払って、寮長の前に立った。
｢そりゃお前はガッチガチの教育ママにエグい育て方されたかもしんないけどさ。ママ、ママってそればっかかよ！自分ではなんにも考えてねーじゃん！何が赤き支配者だ！お前は魔法が強いだけの、ただの赤ちゃんだ！｣
｢赤ちゃん……だって？この僕が？｣
寮長さんの表情が混乱から怒りへ満ちていく。
｢何も知らないくせに……僕のこと何も知らないくせに！｣
｢あ〜、知らないね。知るわけねぇだろ！お前だってAのことなんにも知らねぇくせに傷つけて、被害者ぶって、甘えてんじゃねーよ！｣
噛み付くような勢い。このままじゃ、エースがもう一発寮長さんに拳をかます気がした。
『エース！とりあえず落ち着きなって！』
出そうになっていたエースの右拳を掴んだ。
｢お前もなんであんなこと言われて怒んねーんだよ！｣
『はあ？別にあんなのどうだって…』
｢どうでもよくねーよ！｣
『えぇ……』
なんでエースがそのことに対して怒っているのか、私には皆目見当がつかないのです。
思わず唖然としてしまった。
｢うるさい、うるさい、うるさい!!黙れ!!!お母様は正しいんだ！だから僕も絶対に正しいんだ!!!｣
｢リドル、落ち着け。決闘はもう終わってる｣
｢クローバーくんの言う通りです。挑戦者は暴力行為で失格！これ以上争いを続けるのであれば、校則違反になりますよ！｣
学園長の言葉でこの負の連鎖が断ち切られると思った。が、
｢新入生の言う通りだ!
もううんざりなんだよ!｣
.(くっそ…タイミング最悪だ……)
そうもいかないらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トランプの化け物(プロフ) - 藍の華さん» ありがとうございます!!!更新遅めですが頑張ります！ (2021年1月11日 14時) (
レス) id: 0c97056075 (このIDを非表示/違反報告)
藍の華 - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください！応援しています! (2021年1月6日 17時) (レス) id: a501129fb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2020年12月24日 12時
