見解クラリファイ！ ページ24
『……。僕今日の合同授業でペアがリドル先輩だったんですよ』
｢？…そう、か、？それはまた……｣
急に話題が変わって先輩は戸惑っていた。
『でもね、めちゃくちゃわかりやすく教えてくれました。それで思ったんです。あれが初対面だったら誰も“横暴”だなんて思わないのになぁって、』
｢何が言いたいんだ……？｣
『根本的に寮長さん人思いで優しい人だと思うんですよ。けど、やり方が少し間違ってる。そこをエースたちは正していきたい。
僕は、エースのちゃんと言ってやれよっていう意見に賛成です。
けど、先輩の大切に思ってるからこそ言い出せないのもわかる気がします。でも1番大事なのって、もし、寮長さんの全てを否定されたとしても、
その後、支えてくれる人が寮長さんのそばに居るかどうかじゃないですか？』
トレイ先輩の目が見開いた。
『寮長さんのこと1番近くで見てきたんでしょ？先輩抜擢じゃないですか』
幼なじみ。いい言葉だと思う。
『誰かがそばにいるのって結構心強いことだと思うんですよ。
まあ、これは僕が『なんでもない日』のパーティーであのバカたちから教えられた事なんですけどね』
あの時、ぶっちゃけ自分が言ってることが正しいのか不安だった。でも、隣にはエースたちがいて私は1人じゃなかった。それがどれだけ心強かったことか。
『信じてみたらどうですか？
先輩の見てきた寮長さんは1度間違った方へ行ったらそれで終わっちゃう人でしたか？』
｢A……｣
あ、出しゃばりすぎたかな。
『い、以上がが僕の意見です』
経験も記憶も少ない私がこれ以上言えることは無い。
いつの間にか、場所はオンボロ寮の目の前まで来ていた。
『ここまでで大丈夫なんで、先輩も早く寮に戻った方が……』
｢A｣
『？……はい？』
不意に頭にぽんっと先輩の手が乗った。今度は掴まれるのではなくポンポンポンポンっと…ん？私の頭はバスケットボールかな？弾まないよ？
『先輩？』
｢Aに聞いてよかったよ。ありがとな｣
トレイ先輩の顔から蟠りが少し消えた気がした。
『力になれたなら何よりです』
｢おやすみ。また明日な｣
『おやすみなさい』
トレイ先輩は背を向け、手の甲を少し振ると、寮の方へ帰って行った。
“明日”か…。
明日は決闘の日。
たぶん先輩は寮に帰ってもまだ悩むんだろうな。それほどまでに、先輩にとって重大な選択だろうから。
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トランプの化け物(プロフ) - 藍の華さん» ありがとうございます!!!更新遅めですが頑張ります！ (2021年1月11日 14時) (
レス) id: 0c97056075 (このIDを非表示/違反報告)
藍の華 - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください！応援しています! (2021年1月6日 17時) (レス) id: a501129fb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2020年12月24日 12時
