桜麗華学院の〈桜国〉

12話 ページ38

赤井の肩が震える。

「ダウト！それはニのカードじゃない♡」

仕方ねぇな、と赤井はカードを捲る。そのカードに書いてあったのは──ハートの2。

月雪は「きゃっ」と小さく叫ぶ。水琴がさっとその場から立ち、月雪のライフカードを一枚奪い取った。

「……んもー、頑張るんだからね！」

他の人は冷めた表情をしていた。そんな雰囲気の中、しばらくダウト宣言は無かった。


一周まわり、次は花蝶がエースを出す。花蝶は平然とした表情でエースを出した。

「……ダウトよ」

それは今にも死にそうな表情の中田だった。花蝶は「あじゃぱー」と言い、カードを捲った。

それは、ダイヤの3。水琴がライフカードを奪う。

「次は私ね。うん、エースなら……あ、あった！」

三宅がカードを出す。誰もダウト宣言をしない。また沈黙が続く中、それを破ったのは、

7のカードを出す中田の番だった。「ダウト」と静かに放つ赤井に中田は目を見開く。

「バレたかぁ、嘘だよ……っ」


「ダウト、雪菜、アンタは嘘を付いてるね？」
「どうして分かったの！？花蝶くんっ……ッ」

「月雪さん、ダウトよ」
「ざんねーん♪本当にキングを出してましたぁ！」

「蒼佑ェ、今度こそダウトだぁ！」
「調子乗るなよ花蝶！残念だったなァ！！」

そして、遂に脱落者が一名現れた。

「中田さん、嘘……付いてますよね？」

「いや……、雪菜ちゃん、それ以上言わないでっ」

三宅は目を瞑り中田の出したカードを捲る。それは嘘のカードだった。中田の顔がひきつる。

「さあ、最初の脱落者が出たわ。中田 凛花、あちらの敗者復活戦参加席へ行ってらっしゃい」

怒りで顔をぐちゃぐちゃにした中田は、「覚えてろ、雪菜……！」と呟き、その場を離れた。

「ゲームの続きをどうぞ？」


その後、三宅と月雪が脱落者となった。三宅が脱落した時には中田は嗤っていた。

花蝶と赤井は見事(赤井はノーミス)、第三ゲームへと勝ち進む権利を得た。男って強いのね。

「では、残りの五人はゲームをしてもらうわ。ルールは変わら無いわ。……では、スタート！」

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