天候と月1 翠 ページ30
「みどは、青がクッキーつくってたんだ。つまみ食いしに行こうぜ」
「怒られたら全部君の責任にするのを条件に付き合ってやろう」
「おっしゃ交渉成立な。いこうぜ」
「こっら月切、まだ食うな!もうちょっとで全部できるからちょっとぐらい我慢しろ!」
「ねぇなんでみどはには怒んないの!?ねえ!!」
「あー翠葉。そこまだ焼いてないやつだから。喰ったら腹壊すから。」
「大丈夫大丈夫。私腹頑丈にできてるから」
「ねえ青!?ねぇなんで!?なんでなの!??」
「そういう問題じゃなくてだな。あと月切うるさいおい喰うなバカ」
意外と、私は一日を月切くんやら青霧くんやらと過ごすことが多い。この日もそうだった。
この日は皆のために大量のクッキーを焼いている青霧くんを二人で妨害しに言った。
責任は全て月切くんがとるという条件の下同行したというのに彼は私が怒られない理由を青霧くんに問い詰めていた。
青霧くんの肩を掴んで揺さぶりながらもクッキーをつまむ手を止めないのは流石だ。私も見習いたい。
それにしても彼のつくるクッキーは火が通っていなくても変わらず美味い。
「だからそれ火ぃ通ってないから!食べたらだめなやつ!もう喰うな!」
「えー、おなか壊したりしないよ?全然平気だし美味いし。くれよそれもっと」
生のクッキー生地の乗った皿を奪い取られた。手を伸ばしても身長的に届かない。
「焼いたのあるからこっち喰え。月切はもう食べんなそこ座ってろ」
「ねえ酷くない?男女差別はんたーーーい!!!!」
とか言いながら律儀に椅子を持ってきて座っている。なんだか犬のようだ。
「怒られたら君が全責任を負うって条件だっただろ?そういうことだよ月切くん」
「つまみ食いは月切以外は基本的に許すから。でも生の生地は食うなよ」
「天候組が俺に冷たい」
「なあ青霧くん。これ全部出来たら屋上に持っていかないか?外で食べよう。」
「そうしよう。もうちょっとで出来るからな」
「えっ無視!?俺もう泣くよ!??泣いちゃうよ????いいの??」
「ん。できたよ」
「わーい」
「ねぇってば!!!!!」
うるさい月切くんはほっといてできたクッキーを大皿に乗せて屋上まで運ぶ。
今日は天気がいいのだが湿度が少し高めなので青霧くんでも平気のはず。
「やっぱ屋上って見晴らしいいよなーー」
「月切もう立ち直ったのか。面白くないな」
「面白くないね」
「やっぱ酷いわこいつら」
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作者名:よっけおる x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2017年7月12日 21時