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みどりいろゆめものがたり・翠 ページ27

初めて出会ったのは、あの幼い少女から依頼が来て、
真朱ちゃんを刺した犯人の襲撃があった日の夜。
あの日から私の夢に彼女は度々現れるようになった。

「やっほぅ、ミドリハ。また来たよ」
「や、こんばんは。いらっしゃいヒスイ」

ヒスイは色んなことを私に教えてくれる。
道が二つに分かれてて困ったらとりあえず右に進めばいい、とか
暗くて怖い道を通るときはしりとりをすればいい、とか
ヒスイの好きな漫画の話とか、ゲームの話。
神様の話で盛り上がったりもした。

「ヒスイ、今日は来て大丈夫なのかい?」
「大丈夫だよ。今日は誰も壊す予定ないから」
「そうかい?ならいいんだけど」

ヒスイは夢の中で、自分や自分の大事なひと達の居場所を脅かすひとを
自分達が安全に生きていけるように壊しているらしい。
私達と少し似ているが、彼女達は自分の意思で動いているから、そこは違う。
ヒスイは自分の身長ぐらいの大きさの鎌を使うらしい。
そういえば会ったときに言っていたのだが、ヒスイの『スイ』と私の『ミドリ』は
字が同じらしい。すごい偶然だって言ったら、ヒスイは
『偶然なんかじゃあないさ。きっとね、私達が出会ったのは運命だよ…なんてね』
そう言って笑っていた。

「さて、今日はなんの話をしてくれるんだい?」
「うん。それなんだけどね、今日はちょっとやってみたいことがありまして」
「やってみたいこと?」

そう言って、彼女は私の隣に座って寛いでいたのだが、立ち上がり、笑う。

「夢だからね。できないこともあるけど、できることのほうが多い。」

旅をしようと彼女は言った。一日だけの、小旅行。
今から、私の目が覚めるまでの間、彼女の知る、私の知らない世界を見せてくれるという。

「そんなことが、本当にできるのかい?」
「あぁ。これは君の夢だ。私の言った情景を君が想像するだけでいい。夢は、君に応えてくれる」

まるで以前に同じことをしたことがあるように、彼女からは自信が満ち溢れて目に見えるようだった。
それじゃあどこに行こうかな、と彼女は大きく腕を伸ばして、そうだ。と笑う。

「海に行こう。ここは一面緑色だからねぇ。さてミドリハ、思い浮かべてごらん」

海。
砂浜と沢山の水、砂浜は白く日を照り返し目が痛くなるほどで、水はまるでほうせきみたいにキラキラした青色だという。
一度目を閉じ、そして開けば思い浮かべた私の海が、そこには広がっていた。

二人で脱走・白→←俺氏風邪ひいたってよ・月



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作者名:よっけおる x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2017年7月12日 21時

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