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20話・青 ページ23

「多面すぎるぞ、お前」
「っ!?」

ほかの後ろの茂みに最後の青色がいた。
だが、今にも俺を殺しそうな殺気を感じる。

「な、なんで…兄ちゃんが?」

あの頃の優しかった兄ちゃんはどこへ行ったの?
なんで俺をそんな目で見るの?
まるで獲物をかるかのような目をしていた。

「いつまでたっても他人から愛されることを嫌がって、それなのに集団の中にいる。」
「ち、違う!メンバーはみんないい人だよ、みんなすごい人なんだ」

死神代行人のメンバーはみんな強くてかっこよくて頼りになるんだ、例えば…

「いつまで傷を隠し続ける」

本当は人と接するのが怖い。だって何考えてるかわかんないから。
自分が知らない間にそれに執着するのが怖いんだ、その人に裏切られたら…

(何よりも辛いこと、よく自分が知ってる)

「気が向いたらここに来ること、メンバーから離れるいい機会だろ?」

そう言って兄ちゃんは日が沈んで薄暗い森の中へ溶けるように消えていった。

俺はその後妹を家まで送り、走った。

息が切れて苦しい、苦しかった。
だけど、今から俺はあの場所に帰れるだろうか。

正直、今の気持ちじゃ帰りたくない。

(晴空は襖斗が大好きなんだね)

あんなに優しく微笑む兄はどこに行ってしまったのだろうか。

「なんでっ…なんでっ」

能力の制御が出来てないのか、吐き出す空気は炎に変わっていた
だが人の少ないことが俺の理性を忘れさせ、制御なんてどうでもよかった

「っ…はぁっ…はぁっ…」

あっという間に目の前にはたどり着きたくなかったカフェの入り口があった。
手には兄の場所を示すクシャクシャになった紙切れが、俺の心を刺す

(いつまで傷を隠し続ける)

俺はその紙を丁寧にたたみ直し、ポケっトに突っ込んだ。ドアは重かった。

「ただいま」

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設定タグ:誤字脱字 , オリジナル , 合作   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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月見ノ(プロフ) - Gingerさん» わざわざありがとうこざいます、メンバーは6人になる予定です!これからもよろしくおねがいします! (2017年7月6日 22時) (レス) id: 27b064b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
Ginger - Incredibile!Divertente!(凄い!面白い!ってことです) (2017年7月6日 15時) (レス) id: bc44d2c5f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よっけおる x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年7月3日 21時

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