小悪魔先生。【桃/赤】

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「そ、そうですねぇ」




なんて、軽く微笑みながら言った。

少し心臓が早く動いているのが分かる。




「なぁ、Aって小瀧のこと好きなん？」


「は？何言ってるんですか？

私はあんな裏があるやつ好きじゃありません！」




重岡先生は軽く笑った。

「小瀧酷い言われようやな」

って。





「じゃあさ、」


「はい？」


「俺のことも好きじゃないん？」




私と重岡先生の目線が絡み合う。

逸らしたいけど、逸らせない。


あぁ！こんな所でも勘違い女が出てきてしまう。


「もしかして私のこと好き？」


なんて、馬鹿げたことを。

気持ちが悪いな、私。





「まぁ、好きでは、ないです」


「そっかぁー。裏がなければ…ってことなん？」


「と、というか、なんで先生は表でドSを演じてるんですか？」





なんて、話をそらす。

重岡先生は、悲しそうに笑った。




「俺も小瀧も。本当の自分でいることが怖なったからかなぁ」




なんて言って。




「えっ、と。す、すみません。

デリカシーないですよね…」


「いや！かまへんよ！

いずれ言うことなると思うし！」




そう言って、前に見せてくれたような、笑窪を見せて笑った。


ガラッ。

ドアの開く音がした。




「お前ら何してんねん」


「あー！小瀧遅いでー！

待ってたんやからなー！！」


「うるさいわ」





小瀧先生が来た。その途端重岡先生は5歳児みたいにはしゃぐ。

私は、そんな先生達の絡みを見ておもわず口角が上がる。



そして、ふと思った。

笑ってる先生達は過去に何があって表の顔を作ったのだろうか。



先生達のことが、もっと知りたくなった。

先生、私に教えてくれませんか？



先生、勉強だけじゃなくて、貴方のことも教えてください。





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