［１］プロポーズされたので呪術師になります【五条悟】

18．祝い ページ20

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(18〜20話のみ、
セリフに苗字の頭文字を付してあります)




釘「ゴホン。…それでは。
　 虎杖復活祭、及び漆葉の快気祝いを兼ねまして…

　カンパーーイ！！」


「「「カンパーーイ！！！！」」」


掛け声と同時に掲げられる7つのグラス。

交流会も終わり、一段落。
今日は一年と二年全員で集まっての食事会だ。

名目は掛け声通り。
メニューはもちろん、肉団子入りの寄せ鍋。


漆『これが……悠仁の、遺作……』

伏「もう遺作じゃねぇけどな」

虎「なんかちょっと恥ずかしいなぁ」

釘「結局、季節感おかしいままね」


真夏、冷房の効いた高専の食堂を貸し切って
皆で熱々の鍋を囲む。

期待十分、まずは一口。


漆『…！』

虎「ど、どうだ？」


ふわふわで、噛むとジュワッと肉汁があふれる。
そして立ち上る生姜の香り。


漆『──……おいしい』

虎「ほんとか！ よかった！」

禪「今回は虎杖が手ずから作ったんだっけか？」

伏「手ずからって……」

禪「心配しなくても前におまえが作った方と
　味はそう変わらねぇぞ、恵」

狗「しゃけ」

パ「遺作じゃなくなったんなら傑作だな、これは。
　 パンダでも美味さはわかるぞ」


うんうん、と力を込めて頷く。
言葉を発するよりも、思う存分味わうのに忙しい。

皆一様に口を動かしていたところに。
なにげない悠仁の一言が、この場を揺るがす。


虎「つーかさ、俺の復活祝ってくれんのは嬉しいけど
　 漆葉の快気祝いってどゆこと？」


ビシ、と固まる。痛いところを突かれた。

食堂は生温かい雰囲気に包まれ、
皆の顔も呆れたような表情に変わっていく。


禪「あー。コイツ、倒れたんだよ」

虎「倒れた？」

釘「そ。熱中症で倒れて、
　 夏風邪で2週間寝込んでんの」

漆『ね、寝込んだのは最初の3日くらいで……』

狗「…おかか」

パ「3日でも相当やべーだろ」

禪「あれだけ無理してりゃ、まあそうなるわな」

漆『そう、だった？』

伏「……冗談なら本気で怒るぞ」

漆『え！ ご、ごめん…
　 最後の方、あんまり記憶なくて』

釘「漆葉、それトドメ刺してるのと同じよ」

パ「倒れる前のオマエ、マジで死にそうだったぞ。
　 休憩すらまともに取ろうとしないし」

釘「ほんと、全然寝れてませんって顔してたわ」

禪「なんなら恵が一番心配してたぞ。
　 いくら休めっつっても聞かなかったからな」

漆『反省はしてます……』


しょぼん、と小さくなって首を引っ込めた。



▽

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