言葉で*黒×紫* ページ2
この世で1番信頼してる。
なんて言ったら、絶対に笑うんやろうな。
こうして同じベッドで寝てるのも、お前の寝顔が見れるのも、この世の大半がどうでも良くなるぐらい幸せやって言ったら、がらじゃないって笑うんやろう。
「すき、やで。」
たった2文字も照れくさくて言われへんから、寝顔に向かって言うだけになる。
それがあかんって、わかってたのに。
お前が不安で泣いてぐちゃぐちゃになるまで気づかれへんかった。
なぁ、早く起きてぇなぁ……。
今度はちゃんと言うから。昨日みたく快感に溺れながらじゃなくて、太陽の光に照らされた瞳をみながら。
「すきや。」
たまらずほっぺに手を当てる。いつまで経っても色褪せんこの想いを、どうやって伝えようか。
「おきてるときにゆって。」
起きてるやん、なんて野暮なことはもう言わへん。
「好きやで。ヒナちゃん。」
ひとつ満足気に笑って、俺の唇にキスを落とす。
「おれも。すき。」
照れくさそうに笑うのはやめてほしい。ぐちゃぐちゃにしたくなるやん。
その欲を抑え込むように、ヒナちゃんを腕の中に収めた。
「一生離さへん。」
「んふっ、ぷろぽーず？」
「さぁ。……してほしい？」
「んー、どっちでも。どっちにしろおれヨコのことはなさへんし。」
背中にまわされた手に力がはいった。
また可愛いことを。
その可愛いも常に更新されるから困ったもんや。
「あ、でも、ヨコのかっこいいとこはみたいなぁ。」
腕の中で見上げてくるヒナちゃんのおでこにキスを落とす。
「また今度な。」
「おん。たのしみやぁ。」
2人で惹かれ合うようにキスをして、眠りの中へ戻っていく。
ごめんな。誰にもこいつは譲られへん。
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作者名：やきいも | 作成日時：2020年9月7日 20時
