愛という不確かなもの【超短編集】 (ページ1)

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愛してる。緑×橙ページ1

「愛してるよ。」

「知ってる。」

「愛してるから。」

「うん。」

知ってるよ。

こうして2人きりの家で、電気もつけずに後ろから抱きしめられて。

わかってるから。
ちゃんと、伝わってるから。

「たーよし。」

「まるちゃん……。」

暖かい背中とは裏腹に、肩が冷たくなっていく。

何を不安がっているのか、俺には分からへんけど。せめて、俺がいることぐらいはわかってて欲しくて、お腹に回された少し震えている手を握りしめた。

「だいじょうぶ。」

「あ、いしてる……。」

「うん。」

俺はお前と一緒におれるだけで、こんなにも幸せなのに。

「たーよし。顔、見せてぇなぁ。」

「いや。」

そんな即答されるとは思ってなくて、ちょっとだけがっかり。いいけど。無理やりむくし。

「ま、る。やめて。いやや。」

「あかん。」

嫌がるたーよしを無理やり引き剥がして振り向いた。涙で濡れたほっぺを両手で挟む。

「たーよし。」

あぁ、綺麗やなぁ。涙で潤んで。キラキラしてる。

「1回しか言わんよ？」

お前がいれば、俺は生きていける。

なぁ？たーよしもやろ？

「愛してる。」