危なくないよ。好きなだけ。*赤×青* ページ6
☆赤さん出てきません。
「ほんま、ヤス最近そればっか飲んでるよな。」
大倉が指さした先は俺の手の中にあるペットボトル。
「美味いで？」
「へぇー。ここ1ヶ月そればっかやん。」
「もうそんな経つっけ。」
「ほんま、1回すばるくん飲んでたからってやばいで。」
じとっとした視線が大倉から流れ込んでくる。
「ありゃ。気づいてた？」
大倉は当たり前やん。って言って俺のカバンの中を覗き込んだ。
「このプロテインバーもすばるくん食べてたし、このスタンプカードもすばるくんから貰ったやつやろ？」
「おぉー、よぉ覚えてんなー。」
「ここまで来るとな。」
自分的にはおかしなことは1個もなくて、気づいたら周りにはしぶやんのもので溢れかえってた。
「ほんま、すばるくんのこと好きやなぁ。」
「おん。」
「否定しやんのや。」
「なんで？」
好きなもんは好きでええやん。
「仮にもメンバー内で男同士なんやぞ？」
「わかってるよそんなん。だから、これで我慢してるんやん。」
本人じゃなくても、しぶやんの欠片があるだけで幸せ。
いつでもどこでも思い出せるやん。
「ほんまヤスって危ない。」
「えぇー、なんでぇなぁ。なんにも危ないことあらへんやん。盗んでもないし、法律にも触れてないでぇ？」
「なんか、そういう問題じゃない。」
完全に引いてる大倉をつなぎとめようとした時、俺のスマホが震えた。
通知を見るとついさっき話題に上がった人からやった。
噂をすればなんとやら。
すぐに返信しようと画面をタップする。
「すばるくんから？」
「そうやけど。なんで？」
「…………口角上がりすぎ。ネコバスみたい。」
「ネコバスって……。」
「チェシャ猫でもいいけど。」
「なんやねんそれ。」
ほんま、大倉はようわからへん。
いや、わからんのは俺か。
ただ単純に好きってだけやねんけどなぁ。
あ、あぶな。
メール保存するの忘れるところやった。
終わり
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作者名：やきいも | 作成日時：2020年9月7日 20時
