【d!】神様の子育て人生開幕 Ⅰ (ページ2)

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貴女side

「_今年も天空祭(てんくうさい)の時期が来たな」
「やはり供物を変えてみるのはどうだ？」
「料理はいつも食べて下さらない」
「人間を食とするのではないのか？」

人間の長老達はよく分からないものを考える
私はただ洋と和が混ざる地(和風モダン)が気に入って、私を崇めている神社に住んだのだけど、、

【虚(うつろ)】から出て私は廊下を歩く
人間に化けた状態で広間に辿り着けば、巫女が正座して私を待っていた。祭壇に置かれた供物の前に座り、面布越しに私は巫女を見つめる。

『息災は無いか』

「はい、天空狐様。天空狐様のお陰で今日も今日とて人々は平穏な日々を過ごしております」
『そうか』
「天空狐様、天空祭を毎度の如く開かせていただきます。ご出席は出来ぬ身とお伺いしておりますが、どうか我々共の誠意を障子越しに感じていただけると幸いです」

巫女はそう言って頭を下げる
私は立ち上がって巫女の顎を掴み上へ向かせる、お腹に宿る胎児を【神眼】で見付けてそっと手を添え願う。

「？どうかなさいましたか？？」

『ソナタの役目は天空祭で終了だ』
「ぇ‥わ、私はまだ成り立てですっ、、天空狐様っ、私をお見捨てになるのでしょうかっ、、」
『ソナタは母親となる身‥苦労は掛けんよ』
「母親‥私の子が宿っているのですか、？」

『気付いておらなかったのか？ソナタの子が宿っておる‥無事産まれるよう願は掛けた、妾はソナタに感謝しておる。これまでの巫女と同様掃除を欠かさず、妾に尽くしてくれた…ソナタに祝福を』

私は額に口付けを落として立ち上がる
広間から離れて【虚】へと姿を消す、あの巫女は成り立てだけど随分親身に掃除や話を聞いてくれた、、それ相応の加護は与えたつもりだ。

【変化】を解いて小さく欠伸をする
縁側に座って自分の尻尾に身体を預けて瞼を閉じる、睡眠は必要ないけれど眠ることは出来る‥暇なのでよく寝ていたからか眠気がやってきて私は眠りに着いた。

(続く)

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