蝶を夢む ページ10
水居side
森「如何かね
マフィアの隠れ家の住み心地は?」
隠れ家の扉を開きながら
養父の後ろについて隠れ家に入る。
憔悴した3人がこちらを見て、目が合った。
水居「食事は喉通りやがりました?
粗末な食事で申し訳ない。」
携行食を机に置いて、
水道の蛇口を捻り、手を洗う。
森「楽園の住み心地・・・・・・とはいかないが
一週間程度なら《猟犬》の目から隠れられる筈だよ」
与謝野「森医師
自爆して堕ちた国木田の安否はわからんのかい」
森「残念乍ら
わかったのは太宰くんと花くんの顛末くらいだが・・・・・・」
水居「太宰のばかは、
人質事件より前に《猟犬》に捕縛されてました。」
森「薬で眠らされて身柄を軍警から法務省
更に公安へと移されその先は杳として知れず だ。
マフィアの情報網も届かぬ深部・・・・・・
相当良くない場所へ送られたのだろう。
花くんが捕まったのが昨日の午前11時。」
水居「指名手配に切り替わる直前っすね。
・・・・・・中央図書館にて猟犬4名により捕縛。
ただ抵抗はせずに大人しく連行されたみてぇです。
・・・・・・たぶん、
騎士団側に『封印措置』要請は来てました。
管轄は軍警の、・・・・・・猟犬のまま。
マフィアの情報網曰く、
詰問室に居たそうです。
薬で寝てたらしいっすけど。
・・・・・・ウチの家系の体の頑丈さ鑑みて
拷問くらいは想定の範囲内すね」
谷崎「なんで花さんは逃げなかったんでしょう・・・・・・。
花さんなら、猟犬だって・・・・・・」
森「彼女、特務司書をしているそうじゃないか。
しかも、
この国に3人しか居ない
最上位の階級の錬金術師でもあるそうだね?」
水居「花は一つの組織の代表として、
部下たちを巻き込まない選択をしやがりました。
花が逃げてたら、
軍警は何もしなくとも、
民衆が暴動を起こして
あの図書館に襲いかかるでしょう?」
それでももっとやりようはあったでしょう、花。
なんて、
ここに居ない妹には届かないのだけど。
拷問するとしたら
封印措置なんて実行される前だろう。
『封印』は基本的に
頭がふわふわして会話にならないらしいし、
痛覚なんかも遮断する。
水居「・・・・・・ま、少なからず
何かの間違いだっていう派閥は存在しやがります。
或る作家は新聞にその旨を寄稿、
探偵社擁護の声を出してるそうです。
探偵社っつーか、花に?」
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作者名:クラウン | 作成日時:2023年7月22日 4時