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夢の戯れ ページ7

花side

シャワーを浴び、
術で身の丈ほどある髪を乾かし、

用意されていた着替えをみて頭を抱える。


例の、秋声さんの開花衣装のレディース。

そこに尾崎一門の羽織。

・・・・・・でも、嫌ではないのは
どこか寂しく感じているからだろうか。








図書館全員での夕食も終えた頃、
司書長室となりの自室から外を眺める。

まだマスコミが張り込んでいた。

先生方も数名、
親しい間柄の先生同士で眠ったりするという。


・・・・・・眠れない。

正直、犯罪者扱いされている実感もない。


花「今日は夜の見回り、なしにしたんだっけ。」


見回りようのカンテラに魔術で灯を灯し、
図書館内を見回り、

消灯確認をしてまわる。

実験室に、潜書室。
書架に、談話室、エントランス、バー、補修室。


食堂にさしかかったところで、
複数人の声で気配を殺して立ち止まる。


『全員、反対意見は?』


館長の声だ。
中は、司書と、特務司書達、

あとは一般アルケミストたち。


『あるわけないですよ!館長!』

『司書長にどれだけお世話になったと思ってるんですか。自分たちは、

国定図書館、中央国立図書館の職員として
館長と、司書長の部下として・・・・・・なにより

作家『桜木花』のファンとして!
司書長より年上の人間として、


司書長を、武装探偵社を信じてるんです』


『司書長はつよい、でも

誰よりも大人を頼ることを知りません、
だから自分たちで率先して守ろうと、

・・・・・・“前回”からみんなで決めた事でしょう?』


『俺たちの実験に

『力のリソースを割いてるせいで軍警に負けた』
なんて、俺たち全員で書いてる

司書長の伝記に書けるわけねぇや。』


『そもそも自分たちを守るために司書長はあえて

ここに留まってるのに勝手に戦わせようとするな』


頬を生暖かい涙がつたう。

心の底から込み上げてくるこの感覚はなんだろう。
苦しい、けれど 陰鬱なあの感覚ではなくて。


あぁ、そうだ
書かなければ。 せっかくこんな気持ちでいるのに
それを記録せねば。

司書長室の執務机に原稿用紙を広げて
タイトルを示す。


『夢の戯れ』 と。


「全て無駄になるかもしれぬこの身で、
私は数多の夢と戯れた。

愛情を、友情を・・・・・・化け物であった私を、
人にしてくれた


師よ、兄弟子よ、友よ、最愛なる恋人よ。
文学を愛する同胞よ。


私は願う。
文学は我々の意思表示であり、憩いである。


私が不在でも文学を守れ」

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作者名:クラウン | 作成日時:2023年7月22日 4時

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