剣聖少女と文豪達《天人五衰編》 (ページ5)

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花side

花「外が、･･････騒がしいですね」

大食堂の端から、
カメラやらなんやらを構えた報道陣の声がする。

中は中でカーテンを締め切って
料理自慢の先生方や司書達が夕食を作っている。

国木田『ブン屋ってのはそういうもんだからな。

花、とりあえず飯だ。』

『特務司書全員で侵入できないように

いろいろ細工したんですよ！

司書長の教えのとおりやったら

一般人程度看破できない
ちょっとした魔術が扱えるようになったので。』

花「それはあなた方の才能あってこそですよ。

たゆまぬ努力こそ真の才能です。
･･････怪我させちゃダメですよ？」

テレビのニュースで報じられるソレに、
先生方や司書達が嫌気がさしたのかチャンネルをボタンでコロコロ変えるがどこも同じような報道をしている。

「『武装探偵社は

民間企業初の快挙を成した企業と思われていたのですが
その本性は殺人結社、
『天人五衰』の表の顔であり───』」

「『現在2名を逮捕、
残り8名が逃亡中の武装探偵社ですが

その一人に『統合騎士団』の────』」

･･････姉様達にも、迷惑をかけてしまうだろうか。

もどかしい。けれど･･････。

コナン・ドイル『君の姉君なら、

こんなことで迷惑と思わないと思うがね？』

花「そう、ですね。

･･････でも、だからこそです。『サー』。

桜木がようやく勝ち取った『信頼』を、
私は壊してしまいかねないことをしている。

姉様が積み上げた努力を、無駄にするかもしれない。
そう考えたら、急に怖くなってしまって。」

賢治『花さん･･････』

花「忘れてください。

･･････あ！締め切り！」

国木田『は！？いつ！？』

花「あ、明後日です･･････

直接取りにこられると思うんですけど。
多分拘束されてるので」

秋声『わかった、渡しておくよ。

いつものところのストックでいいんだね？』

花「たのみます。」

･･････出版社が出版に持っていくかどうか、
ソレは探偵社の命運によるのだろう。

プロレタリアの先生方や
親しくしていらっしゃった先生達が軒並み顔を歪めているのは、過去を思い出してか･･････。

小林多喜二先生がすごく顔を顰めていらっしゃる。

それどころか顔が青くなっている。

花「多喜二先生、大丈夫です。

私は頑丈ですから、
拷問されたとて死にはしません。

『封印措置』が取られると流石に痛手･･････ですが」