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純泉「福地は行ったか。

・・・・・・騒がしいやつよ、ほれ水だ。
酔いが回っていてはこれから話すことも忘れられそうだ。


・・・・・・水菜くん。」


「ありがとう。 わざわざすまないね。

────やぁ、ご無沙汰しています。
福沢さん。」

じゃらり、と
佐倉純泉の勲章にまみれたマントが翻り、

白髪、白眼の少女が現れる。


長い、純白の絹糸を思わせる
一切の傷みの概念を知らない美しい髪が揺れる。


福沢「純泉・・・・・・」

純泉「予想外だという顔だ。

・・・・・・私はお前と、花くんを信頼し、
その上従うべく相手が信ずると言った、

ならば信じる。


元帥の称を得てもなお、私は自分の信念を貫く。

そうせねば亡き妻に、
・・・・・・子供達と孫たちに顔負けできまいて」


水菜「・・・・・・愛だね。

さて、福沢さん、話をしよう。

僕たち桜木一族、
および『統合騎士団』はこの件君たちの側につく。

必要なことがあればあなた方のために尽力しよう。

それが
今ここであなたを攫えないことの対価だ。


本命は・・・・・・」


福沢「桜木は・・・・・・無事か」


水菜「・・・・・・無事、とは言い難いね。

治癒のために封印措置を行なった、
僕の見立てで・・・・・・、丸二日ほどかかる。

外傷の治癒でもだいぶ苦戦しているようだよ。」


その話している相手も桜木だけれど、という
野暮な話はしないで

水菜がトントンと椅子に座り、
しなやかな指で机を叩く。


水菜「『この世で最も恐ろしいのは、

必死になった凡人』だけれども、


僕らにしては、よわい。


図書館は花の身柄を君たちにおいそれと渡せない。

僕ら騎士団も、
表面上は敵対を偽装しなきゃなんないんでね


あなたが最適だと判断した時、
花を攫って欲しい。

それが最善」

福沢「それは・・・・・・」


水菜「「獄中に来てまで言うことか」、かい?

“もちろん”。
あなたは信じているはずだ、探偵社は再建出来ると。

僕も信じているからね。」


福沢「そうか」


純泉「福沢、桜木花は恐ろしく強いぞ」


福沢「知っている。」

純泉「その上に立つのが、「桜木水菜」だ。」


水菜「よしてよ、佐倉さん。

ぼくはあなた達の願望を叶える願望機でしかない。
そこに相対的な上下などないよ。」

福沢「・・・・・・水菜殿、一つよろしいだろうか。」

水菜「どうぞ」


福沢「その異能は貴君の異能か」

水菜「・・・・・・どこかの誰かの異能さ」

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作者名:クラウン | 作成日時:2023年7月22日 4時

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