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琉庭「・・・・・・ぼくは、師匠を信じていますから」


聖夜「そっかそっか!」


館長『申請を受理しよう。

それで、君たち統合騎士団は何が目的だ?』


聖夜「・・・・・・ああ、だから俺と響音だったのか。

花の治療をここでして、
武装探偵社に身柄を奪還してもらう。

それだけだよ?

武装探偵社は“ここ”と敵対関係が成立しない。
花が司書長を務めてた以上、“間者”はいないし

“八百長”も成立する。」



響音「受理してもらったってことで、水菜からこれを。


コレは俺たちと、探偵社の行動予測。

こっちは『猟犬』の行動予測。

誤差は大体1時間前後、
花の部下と上司ってだけで、

俺たちは貴方たちを無条件に信頼できる。


・・・・・・花の搬送が数日後の夜なので今のうちに。

どんな姿でも、
あの人を憐れまないで、蔑まないで。

『魂を砕かれても、
その想いまでは砕かせなかったから』。

花を、信じてあげてください」


聖夜「・・・・・・俺たち桜木の血脈は、

体の半分無くなっても帰ってくるくらいするからさ、
だがら、俺たちに祈らせて。

たとえ手足がなくなって、這うことしかできなくても
祈る事はできるから。」



琉庭「師匠は誠実な人です。

嘘をつけない、
僕らを傷つける事をひどく怯えておりますし、

自分が傷つく事も怯えておられる。


私の作品がドラマになるという時、
師匠は我が事のように喜んでくれました。


そのような素敵な方を、
僕はどうしても裏切れない。」


秋声『信じるも何も、花は花だ。

言われるまでもないよ。』


聖夜「あは、杞憂だったってわけね。

嘘の色してないし、
・・・・・・行こうぜ、ヒビ!

彼らは信じるに値する。

水菜はもともと信じてるけど、
俺たち分家も信じるに値する、だろ?」


響音「秋希が信じてたから俺はもともと信じてたが?」

聖夜「裏切られたぁ!?」


響音「ほら、別邸に行くぞ。

あそこの使用人たち、ちょっと過激だから

しっかりと花のためにハウスって言いつけないと
暴れるだろ」


聖夜「ひびぃ・・・・・・」

響音「ああもう!やかましい!」


騒がしい2人をよそに、
琉庭が懐に入れていた文学書を取り出す。


“情景”の本。
花が初めて書き、出版した本。

その背表紙を開いて、
執筆のしすぎでタコが何度もでき、
潰れ皮膚が厚くなった指で、花のサインを撫でる。


琉庭「師匠。

地を這って泥を啜って、
そんな俺でもまた、貴方に祈らせてください。」

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作者名:クラウン | 作成日時:2023年7月22日 4時

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