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這いつくばってでも祈る ページ18

NO side

とある地元紙で特号とし、
ある分厚い新聞が配られる。


『武装探偵社』に擁護を。

と見出しに描かれて、
新聞社の社員と思わしき人々がそれを大声で叫んで訴えている。


武装探偵社がいかに魔都ヨコハマに貢献しているのか、
そして

どれほど善良かを。


そこに国定図書館の制服を着て、
司書達も配るのを手伝っている次第。


通行人が集まって、それを受け取り
見出しをめくると、そこで乱雑に新聞をめくる手を止める

『我ら探偵社を擁護せん』と、
達筆な文字で書かれたその隣から

詩や川柳、俳句。

短編の小説などが始まっているのだ。
何人かは嘆願書のように書き連ねられているそれは、

国定図書館の手によって、転生し
・・・・・・しかも武装探偵社と交流のあった

桜木花の勤務していた図書館の文士だと注釈があった。


『たとひ魂は砕けても、想いは砕けない』

最後の最後、
新聞の裏面に書かれたその言葉は誰が書いたものだろうか

と、書き連ねられた作品と氏名の無いそれに
ある青年がぽたり、と涙をこぼし

新聞が涙を吸い込んだ。


秋声『あれ、『湖月琉庭』くん?』

「・・・・・・徳田秋声先生・・・・・・。

師匠は・・・・・・桜木先生は今どうなさって・・・・・・」


秋声「ここで話すには少しアレだね、

図書館まで行こう、くるつもりだったんだろう?」


「はい・・・・・・。
あの、最後のあの頁は師匠の字でしょう。

もしかして司書長室に飾ってあった師匠の・・・・・・」


秋声『ああ。花の字だよ。

・・・・・・花の弟子というのは公になっているから、
君のところに軍警が行っていないようで安心したよ。』


いつのまにか持っていた新聞ははけてしまって、
司書たちも何人か撤収した。

秋声が琉庭くん、と呼ばれた青年を手招き
話しながら図書館への帰路を行く。


「はい・・・・・・、

本来なら、
いまここにくるべきではないとは思っていたんですが。

先生方ならなにかしっているのではと」


秋声「そのすり合わせはあまり期待しないでおくれよ。

僕らもいまいち理解できていないんだ。
探偵社が誰かに嵌められて犯罪組織に仕立て上げられた。

僕らは、

花たちがそんなことをする人じゃない、
ってわかってるから擁護できるけど

世間一般はそうもいかないからね」


「あの、先生がたに添削をお願いしても良いでしょうか。

いつもは師匠とするのですが・・・・・・
今回はそもそも師匠には頼めない、というか」

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作者名:クラウン | 作成日時:2023年7月22日 4時

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