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悪運 ページ7

優鶴side

左馬刻「どうするつもりだ?」


優鶴「・・・・・・燃えるものが無くなれば、火は消える。


───聖夜、響音。

聞こえたな?」


通信機越しに2人が返事する。

ならば冗長、簡単だ。


優鶴「車で下山するのにかかるのは大体5分。

それだけあったら
やりたいことはできるよ」


寂雷「いけません・・・・・・!

君に万が一のことがあったら・・・・・・」


優鶴「俺のこと、『信用』してくれないんだ?」

左馬刻「・・・・・・行くぞ。

先生、車頼む」


寂雷「・・・・・・わかりました。

優鶴くん、終わったら連絡をすること。
『約束』してください」


優鶴「うん。『約束』する。

桜木は嘘を嫌うし、魔法使いは『約束』が絶対。

先生、さすが」


走って車のほうに向かう先生達を見送って、
燃え広がり始めた木々を見る。

『全力』は、出せる。

ただ
出そうものならこの辺一体が灰燼と化すだろう。


なら、やることは一つだ。
空間を【断絶】すればいい。

断絶し、火を通さないようにして
その空間を焼き尽くせばいい


たった70個魔法を同時に使うだけだ。


優鶴「・・・・・・力を貸してくれ。

ラミエル」








消火された山のなか、
川の中に左腕を漬け込み手を動かしてみる。

筋肉がひきつれて動かしにくいが、
動く。

俺は宣言通り、

【燃えるもの】を焼き尽くした。

魔法で一定距離以上は燃えないように
『防郭』を張り。

木を切り倒し
出火もとの広場に集めた。

そして防郭内の空気も含めた『全て』を燃やし尽くした。

予想外だったのは、
木の中の水分が爆ぜたのと、

残って気化したガソリンに引火し
爆発に等しい爆炎を上げ

飛んできた木片を叩き落としたとき
自分の腕に引火したことだ。


ばちゅん、
とサイレンサー付きの銃が発砲される音が聞こえた。

頭から着水、
大量の水を飲み、
溺れているのを自覚するまで少し時間がかかった。


「さいっあくでしょ〜がよぉ」

不意に水から引き上げられ、
川縁の石に頭を打ちつけ、流血する。

「やっぱり優鶴くん、『持って』ますね。」

水を吐き出すために、
喉に指をつっこみ

吐き出す。

「悪運の方っすけどな〜?」


優鶴「・・・・・げはっ、・・・・・・ごぶっ・・・・・・っ」

「・・・・・・花ぁ、

その水『不純物』が混じってると見ました。

全部吐き出させてから、火傷部位の治療。
弾は抜けてますが、

その治療もあわせてしやがってくださいな?」

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作者名:クラウン | 作成日時:2022年3月17日 8時

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