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響音side

ぞぉっ、と全身の血の気がよだつ。

今あのおんなは、なんと言った?
『生贄』?

今日ばかりは己の『良すぎる耳』を疑う。


理鶯「っ! あれは・・・・・・!」

寂雷「縛られた、男女・・・・・・?」

一郎「生贄・・・・・・って・・・・・・」


響音「呼吸、してる。

成人男女の平均的な呼吸音。
気絶して縛られてるだけ・・・・・・?」

聖夜「・・・・・・でも、美味しい収穫だよ♪」


聖夜が俺の肩に手を置いて、
女の方を小さく指差した。

あの顔、警察のデータベースで見た顔。


左馬刻「あの女・・・・・・百家楽幸じゃねぇか・・・・・・!」


「さぁ・・・・・・導きの聖水と光の矢で
彼らの罪を清めましょう」


二人に、何かの液体がかけられる。
揮発性のアルコール臭だ


寂雷「この匂い・・・・・・アルコールですか」

優鶴「アルコールだけじゃない、

・・・・・・多分ガソリンとかみたいな、
揮発性の引火する液体。


光の矢は多分火。

たぶん、焼くつもり」


寂雷「そうはさせません・・・・・・!!」

2人が飛び出していく。
うん、そうだろうと思ってた。

優鶴兄さんが見込んだ馬車馬達だ。
これくらいのスリルがあってもいい。



聖夜「穏やかじゃ無いね〜☆

・・・・・・にいちゃん命令ちょうだい」


響音「言われるまでも無いだろ。

みんなを守る、それだけだ!」


優鶴「ああ、あの2人は任せる。

寂先生たちは俺がなんとかする」


響音「うん、かっこいいとこ見せてくれ兄さん!」


優鶴「乱数、左馬刻。

・・・・・・『お願い』。」


乱数「もぉ〜!

優鶴ったら、ちょーしいいんだから!」


優鶴「響音、首輪を、引きちぎる。

この意味わかるな?」


響音「ははっ、自分から水菜に怒られに行くの?

・・・・・・さいっこうだな!」

それだけ言い残して、
兄さんが神宮寺寂雷と山田一郎の元に飛び出した。


乱数「そーりゃっ!


こんなのに手こずるとか〜もう歳なんじゃない???」


寂雷「飴村くん・・・・・・」


左馬刻「おらよ!!!

おいテメェ・・・・・・こんぐらいでやられてんじゃねぇぞ」


一郎「左馬刻・・・・・・!?」


優鶴「────っ!」


強力なプリズムボイスが反響した。
マイクを構え、

背後から不意打ちをかけようとしていた奴らが、
耳を押さえてその場にへたり込んだ。


優鶴「火をつけられたら負け。

この意味みんなわかるよね?」

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作者名:クラウン | 作成日時:2022年3月17日 8時

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