故に彼女を『上げる』のだ ページ31
水菜side
時の政府、本部。
あの後『星杯』を用いて『改竄』を行い、
世界そのもののあり方を変え、帰還。
僕と、監査官や調査員であった面々と共に
政府に赴いていた。
紅葉切「──以上、規定に基づき、
評定を『優』とします。」
「わかった。
･･････紅葉切国護月彦、『あの世界』はどうなる」
紅葉切「魔法が普通に存在し、
多種族が『共生』できる、
『捻れて歪んだ』、『やさしいせかい』に。」
そりゃそうなる、
と理解しかできない経歴である。
よくよく考えろ、
紅葉切だぞ？
6000年“以上”を生き、
親を、兄弟を殺し。
そしていつの間にか、
『崇高』なものともてはやされ、
退屈な日々を送っている。
そんな存在が、『体』よりもさきに『心』が死んだ
哀れな『神』が。
淡い笑みを浮かべ、
『ブチギレ』ていた。
紅葉切「だから『私』は、何度も、
『なんども』忠告していましたよね？
まぁ、結果としてこの子たちの『師』に成れた事と
私の『後継者』のいる世界が
どういうものか把握できたから良かったもののぉ。
最悪、
別の世界軸の『我々』が敵に回っていましたよ？」
ごくり、と
僕と、長義達が乾いているのに
なけなしの唾を飲み込もうとした。
「それがどうかしたのか」
紅葉切「お前も人間至上主義ですから、
全くもって面白くないんでしょうが、
･･････それは此方も一緒じゃ、
精々『二桁』しか歳を重ねとらんわっぱが。」
「言葉を慎め、下賤な『鬼』め。
どのみちお前の『自作自演』のようなものだろう、
気分一つで『害になり下がる存在』が」
さすがに僕もキレそうだった、
長義もちゃっかりキレていらっしゃるし
それをなんとか
服を影で掴んで静止している水心子と清麿は誉である。
則宗「いやはや、僕ももう歳だな。
･･････もう一度言ってくれ、どうやら聞き違えた。
我ら『備州』の太祖、
桜木派の『最高傑作』であり、
正一位を『下賤』と称したように聞こえてな」
いや、1番キレてるのは
まさかの一文字則宗であった。
アッウン。
そうだよね、そりゃ己の『太祖』を馬鹿にされてりゃ
ブチギレるよね。
長義「･･････切ろうか」
水菜「ダメだよ。
『こんなの』にお前たちみたいな
美しい存在に切って“もらう”のは『もったいない』。
･･････もちろん、我らの『太祖』の刃もだ。
『こんなの』より、
もっと上の人に報告するべきだね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クラウン | 作成日時：2022年3月8日 6時
