神像 ページ22
No side
山鳥毛「まさか、ここまでとは･･････」
土煙が薄れたと思ったら、今度は血煙があがる。
狂ったように笑い声を上げる六木を
息を飲んで、見ていることしかできなかった。
鼻がバカになって、
桜の匂いか、血の匂いか区別がつかなくなる。
戦乱の世に生まれた彼らはソレが当然のように、
視界に映る敵を殲滅してゆく。
五虎退「山鳥毛さんっ！」
その声に
山鳥毛は横腹に向けられた攻撃をなんとか弾いた。
「話と違うの。
･･････ツキヒコの、･･････私たちの末端も末端。
鬼化できなくなるまで血が薄くなった、
子達じゃなかった？」
桜木派は、備前刀剣太祖とも呼べる流派。
だが
その本体の特色は一見
五箇伝のどこにもないように見える。
「『正閥』ぅ！
勝手に一人で行かないでよう！」
山鳥毛「･･････っ！？」
この二人は桜木の子だ。
脳がソレを理解した瞬間、目が熱をもって
焼けるように痛んだ。
目を離せば、死ぬ。
だが今すぐにでも目に起きた異常を確認しなければ、
そう思った矢先に、
山鳥毛は、
自分が転びそうになっていることに気付いた。
「小豆！」
転びそう？
否、飛ばされている。
小豆「だいじょうぶかい！？」
山鳥毛「ああ、すまない」
潮波「懐かしい顔。
でも、ごめんなさい
私敵には容赦しないタチなのよ」
ぶんっ、と
潮波の薙刀があたりを薙いだ。
謙信「しおなみ！」
がつんっ！
と柄で迫った薙刀を上へ弾いた。
潮波「そう、･･････そうだったわね･･････っ！
貴方達がいて、
『私』がいないわけなかったわ！」
潮波が感情を昂らせるのを、
上杉謙信に仕えた刀たちが読み取った。
だが、ひとつ思うことは･･････。
五虎退「す、助太刀しますか？」
山鳥毛「ああ。
我々でひとり足止めをする。
おそらく、他のところでも同じようなものだろう。」
謙信「やるしかないぞ！」
姫鶴「あつき、けんけんは頼んだよ」
短刀、脇差。そして薙刀。
山鳥毛(せめてあと一人、
･･････援護に回れる刀がほしい。
誰でもいい、だれか･･････！)
「3代目サクラギ、『宗江国守枷梛彦』ぉ。
･･････ただいま参上〜･･････。
･･････太陰にいさまくるまで、がんばろぉ！」
そう言って上から降ってきた宗江は、
脇差の子を攻撃した。
謙信「しゅうこう！！」
宗江「道満の道術、お披露目のじかん･･････なの！」
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作者名：クラウン | 作成日時：2022年3月8日 6時
