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死よりももっと甘い何か ページ48

優鶴side


日鞠「最初に、たくさん謝らないといけないわね」


優鶴「母さん・・・!

俺もう高校3年生だ!」


日鞠「いいのよ、私が抱きつきたいの」

ペンギン先生「久しぶりね、日鞠」


日鞠「ペンギン先生、久しぶり。

ーーーレイン!」

レイン「レン!」


母さんが、俺とレインを抱き寄せて
苦しいくらい締め付けてくる。


懐かしい感覚だ。


満鶴「千鶴、羽鶴もおいで」


羽鶴「私たちも高校生だけど!?」


満鶴「僕らの子供に変わりはないよ。

ほら、おいで」


優鶴「母さん、苦しい・・・」


日鞠「私たちがいなくなってから、

随分大きくなったわね。優鶴」


優鶴「いなくなってから、成長期きたからな」


日鞠「私じゃ、立ったまま頭を撫でれないわね

貴方が“孤独”にならないようにと、
千鶴と羽鶴を産んでもらったのに、

結局、独りにしてしまったわね。

ごめんなさい」


優鶴「俺が、気付いて無かっただけ、なんだろ?

母さんは、ずっと俺の中にいた」



日鞠「私も、

貴方が苦しんでいるのに気づいてあげれなかった。

いえ、気づいていても
あなたなら大丈夫だと、

無視していた。

許してとは、言わないわ。

酷い母親であることに、変わりはないもの」



母さんの匂いが、いっそう濃く鼻に届く。
上手いこと、言い表せない“何か”が

込み上げてくる。



水菜「踏ん切り、つかなかったんでしょ?

親が子供の間に死んでしまうのが、
僕らの世代の『当たり前』でも、

戦争に行ったでも、
日頃から恨みを買うでも無かった。


“スレイベガ”である為に、
“血肉”を欲しがった馬鹿に角を折られて、

回復手段を断たれた上で、
殺された。


ーーー死は、突然にやってくるものだよ。

生き物は、
それを知覚する術を“本能”以外で持たない。

それどころか、大抵は知覚せずに死ぬだろう。


だけど、当時の僕らは
幼すぎた。

ちゃんと、理解できてなかった。

小さいまま、大人にならないといけなかった」


水菜も、中学生で親を失っている

だから、わかるんだろう。


ーーーこいつの場合、

自分の母親自分で殺したようなものだが。


水菜「優鶴くん、ちょっとおいで」

優鶴「ーーーあぁ?」


ごきっっ!


水菜「僕の地雷原でタップダンスしているのは、

どこの誰かな〜☆」


優鶴「ギブ!ギブ!」


水菜「もっと苦しめ!お前は!

こう見えて僕は“ナイーブ”なんだぞ!」


紅葉切「お前それ本気で言ってます?」

水菜「ひっどぉ!」

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作者名:クラウン | 作成日時:2020年11月4日 23時

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