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響音side
『♪〜〜♪#〜〜』
音、音、音！
ずっと交代で響くパートを裏から支えて、
途切れた瞬間に表に出す。
音の流れを掴み取って、
流れに乗って
調和させる。
音のクセを活かしたまま、
パートが移り変わる。
ーーーもっと、早くに
この面子でユニット組んでたら
兄さんは、
追い詰められなくて済んだのかなーーー。
なんて、
思ってしまう俺がいる。
ーーー兄さんは、俺たちを愛してた。
俺と聖夜は、
使い潰されるのが嫌で、抵抗するのにいっぱいで
それを去年は返せなかったけど・・・・。
響音『〜〜〜♪！』
今なら“返せる”。
優鶴兄さん、
俺たち、『五奇人』と『二天人』は成長したよ。
“光”をみて、“光”に成って
こうして、
みんなで“完璧”を目指してる。
俺、嫌だよ。
兄さんが“アイドル”と“スタァ”を辞めるなんて。
兄ちゃんのあとを追えないなんて。
そんなの、“物足りない”。
せめて、せめてーーー！
一万歩くらい譲ってやって、俺たちが勝ってから
辞めてくれ。
妥協の勝利じゃない、
本当の“勝利”を手にしてからーーー！！
聖夜「(5人でようやく俺たち二天の片割れに届く
五奇人と、こうして一緒にいる。
それって、
すっごくたのしい☆
響音、油断してたら、俺たちでも喰われちゃう)」
響音「(大丈夫、
油断なんて、五奇人相手にする勇気ないよ。
手を抜いた瞬間、喰い尽くされる。
あぁ、“魂”が震える・・・・☆)」
縦横無尽に飛び跳ねる聖夜と、
音に重点を当てた俺。
５人で俺たちに喰らい付いて、
対等に並ぶ“五奇人”。
観客の目線は、
俺と兄さん達の間で揺れ動き
興奮の音を響かせている。
夏目「(そんな余裕あるならもっと目立ってヨ)」
聖夜「(“喰っちゃう”から却下〜。
今のこれがナイス調和☆
これ以上はどっちが上でもダメだよ〜？)」
響音「(合わせてくれるなら、検討しよう)」
渉「(いくらでもついていきますとも！
“天使”さん達☆)」
すれ違い様に、
アイコンタクトを送りあって、
マイクを外して、舞台袖に放り投げる。
聖夜 響音「(んじゃ、これ無し)」
“プリズムボイス”は“特別”だ。
生き物が最も多幸感を得る音域を放ち、
普通に比べて笑っちゃうほどの声量がある。
空気振動率も高く、
本気を出せば、マイクを通しただけで
音響機器がことごとくダメになる。
響音「本気でやろう！聖夜！」
聖夜「ガッテン承知！」
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作者名：クラウン | 作成日時：2020年11月4日 23時
