・ ページ11
優鶴side
楽しくない。
ーーーいつから、こんなにーーーー。
あれ、
なんだっけ。
何か、“思ってた”のに。
それが、わからない。
ーーーーまぁ、いいか。
今更、どうこう言ってられない。
優鶴「(脳内麻薬、どっばっどば・・・♪)」
ブレードのついたシューズのまま、
歌いながら、バク転をして、
プリズムジャンプに姿勢を変えて、飛ぶ。
プリズムライブまで発動させて
指揮棒を振る。
あぁ、できるじゃないか。
ーーー演じれるじゃないか。
あいつらが大好きで、愛おしくて。
けれど迷惑はかけれなくて、
あいつらに嫌われるだけの為に。
ーーーあぁ、なんだ
害意ある破壊神を、演じれるじゃないか。
あとは、ゆっくりじっくり
“堕ちていくだけ”だ。
堕ちて、堕ちて、堕ち切って
誰からも信用も、応援もされなくなったら
きっと俺はーーーー。
俺はーーー？
パシッと、
何かが割れる音がした。
「お前らのせいだ！」
観客席から、そんな罵倒が響く。
ステージ上に、
割れて中身の潰れた卵が落ちている。
ジャニスが、顔を赤くして
憤慨する勢いで一歩前に出ようとする。
優鶴「ちゃんと俺を狙えよ
ノーコンか」
ジャニスが怒って、
そいつをここから追い出す前に
俺が煽る。
ジャニス達に追い出されたら、
ああいう奴らは、
ジャニス達が俺を庇った、などと
根も歯もない事を拡散して、
騒ぎ立てるだろう。
何が俺のせいなのか、疑問だが。
優鶴「ーーー俺一人の時に狙って、
当たれば英雄。
万が一、俺以外のやつに当たれば、犯罪者だ
ーーーそれは、お分かりか？」
夏希「優鶴、止せ。
実行されると俺が困る」
夏希の言葉に首を傾けてつつも、
本当に困るらしいので、
それ以上は煽らない。
優鶴「ーーーとんだ邪魔が入ったがーーー。
プリパラの女神様方。
これで、終わりだ。
お前らが大切にした“守護者”は、
お前らを“裏切って”、
お前達の世界を破壊せんとする、
“売国奴”に成り果てた。
ーーーお前らが、
俺をこんなふうに“育て上げた”んだ。」
俺が、プリパラにはじめて入ったのは
4歳の誕生日の日。
プリパラの管理システムの上流階層の集まる会議みたいな所か、
ただの俺の“お披露目”かはわからなかったが、
その場で“女神”達に会った。
その日の事は、
いやでも鮮明に思い出せる。
ーーーー俺が、
いろんなものを“守る”為だけの、
“守護者”になった日の事だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クラウン | 作成日時：2020年11月4日 23時
