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「……やさん、恭弥さん!」



はっ…ぼーっとしてた


Aが心配そうか表情で僕の顔を下から覗き込む




「!ごめん少しぼーっとしてたよ」




僕がそう言うとAは一瞬安堵の表情を浮かべたが頰を膨らましてこちらを横目で見た



「もー、大丈夫ですか?」



呆れているように見せかけて実は相当僕のことを心配してくれているようだ




僕は彼女を安心させるために微笑む




「大丈夫だよ」



「…そうですか、それなら安心です」



僕の表情を見て安心したのか、彼女はまたふわり、と花のように笑う






「さ、今日はどんな話をしますか?」



「そうだね、今日は…」
























「はぁー、やっぱ恭弥さんは面白いですね」



話終わってもなお、まだケラケラと笑う A



「そうかい?君の面白さの基準がズレてるだけなんじゃないかい?」



「そうかもしれませんね」




そう言って僕たちはお互いに笑い合う









「はぁー…恭弥さんと話してると時間なんてあっという間に過ぎちゃいます」




ドキ、心臓が跳ねた



なかなか嬉しいことを言ってくれるじゃないか





「…僕もだよ」




こんなこと彼女に言えるわけがない


だから彼女に聞こえないように小さく呟いた






「?何か言いました?」



「何も言ってない」






…愛なんて知らなかった僕が


会って早々、こんな少女を好きになるなんて





…ほんと、不思議な話だ


























「じゃあまた明日ですね」



「うん、また明日」





僕とAは昨日のように言葉を交わし、それぞれの病室に戻った

































「雲雀様、お待ちしておりました」





貼り付けたような笑みを浮かべ、窓際に男が立っている




病室に戻ると院長が僕のことを待っていた

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作者名:かふぇ | 作成日時:2017年1月5日 13時

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