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今僕とAは屋上から階段を下ってきている
「恭弥さんは何故病院に？」
「風邪をこじらせてね」
「そうなんですね、お大事に」
ふふっと笑うAの笑顔はやはり綺麗だ
Aは何故病院にいるんだろう
「君は？」
「え？」
Aは自分のことを聞かれると思ってなかったのか目をぱちくりさせながら、こちらを見た
「君はなんで病院にいるの？」
「あぁ、私は生まれつき体が弱くて心臓病を患ってるんです」
どこか悲しそうな表情で儚い微笑みを浮かべるA
「！へぇ…心臓病…」
彼女は俯きながら言葉を続ける
「治療法が見つからないらしくて…
もう10年以上もこの病院で過ごしてます」
10年も…
治療法が見つからない…
だとしたら彼女の寿命は…
僕がずっと黙っていると彼女はハッとしたような表情になって口を開いた
「！そんな顔しないでください
いずれ治療法も見つかって治りますよ」
彼女はまた微笑みを浮かべて笑う
…自分が一番不安なくせに…
「そう…」
「はい」
この言葉を最後に僕たちの間に沈黙が流れる
＊
「じゃあ私、こっちなので」
沈黙の中、口を開いたのはAだった
「そう、じゃあまたね」
「！はい、また」
彼女は微笑みを浮かべ手をひらひらと振りながら自分の病室の方へと戻っていった
僕も自分の病室に戻りベッドに寝そべる
明日も屋上に行けば会えるかな
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作者名：かふぇ | 作成日時：2017年1月5日 13時
