【雲雀恭弥】君と言う名の理由 (ページ5)

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彼女の側に行くとしばらくの間、沈黙が続いた

静かな心地よい…そんな沈黙

今この屋上には清々しい夏風に吹かれる僕と彼女の姿だけがあった

隣にいる彼女はずっと外の風景を見ている

不意に彼女が口を開いた

「…ここは並盛全体を見渡せるんです」

「…確かにそうだね」

彼女につられて僕も外の風景を見てみると確かにそこには一面に並盛が広がっていて全体を見渡せる絶好の風景だった

「…ここから外の風景を見ているといろんなことが見えてくるんです

いいことも悪いことも」

「ふぅん…」

彼女の方を横目で見てみると目が微かに揺らいでいる

その表情は…とても寂しそうだ

かと思えば彼女は急にハッとしたような顔になった

「…！ご、ごめんなさい！こんな事言っちゃって…無意識で言った事なので気にしないでください」

彼女は僕を見て申し訳なさそうに苦笑いで謝る

そんな顔さえも綺麗、だと思ってしまった

「別に気にしてないよ」

僕が安心させるように優しい声で少し微笑んで見せると彼女はホッとしたように安堵の顔に変わった

「よかった…

あ、私、AAと言います」

思い出したように自己紹介をしだす彼女

…A…か

「僕は雲雀恭弥、好きに呼んで

君のことはAでいいかい？」

「はい、いいですよ

じゃあ私は恭弥さんって呼びますね」

再び、綺麗な笑顔を浮かべている彼女を見た

彼女といると心が自然と暖かくなり安らいでいく

そんな彼女の心地よい雰囲気に浸り、

気づけば僕たちは結構長い時間話し込んでいた