【雲雀恭弥】君と言う名の理由 (ページ16)

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「じゃあ、オレそろそろ帰るね」

小動物が立ち上がってAを見下ろした

Aは、えっ、と声をあげ小動物を見上げる

「もう帰っちゃうの？」

顔を見なくてもわかる、あからさまに悲しい声だ

「うん、…そんな悲しい顔しなくてもまた来るから」

小動物が微笑みながら言うと

Aは、ハッとしたように我に返った

「別に悲しい顔なんか…」

「はいはい、じゃ、またな」

Aの気持ちを見透かしているであろう小動物は、軽く流し、笑う

Aは少し黙ったあと顔を上げた

「…うんまたね！」

小動物の方へ向き直り、ふわりと笑うA

その笑顔は少しいつもと違う気がした

「うん、

そ、それじゃあ雲雀さん、オレは失礼します」

そそくさと去って行った小動物

小動物が去って行った後、少しの沈黙が響いた

チラ、とAの顔を少し盗み見る

Aは悲しそうな顔をして俯いている

やめてくれ

そんな顔をしてないでくれ

それじゃあまるで

君が沢田綱吉を好きみたいじゃないか