【雲雀恭弥】君と言う名の理由 (ページ11)

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窓から差し込む光で目が覚める

…朝だ

…今日、この病院から出ていかなければならないのか

荷物などはもうまとめてあるから、あとは出て行くだけだ

……最後に、屋上に行こう

＊

「あ、恭弥さん！おはようございます」

屋上の扉を開けるとそこには、相変わらずAの姿があった

今日もいつもと変わらない綺麗な笑顔で笑っている

「…うん、おはよう」

口を開くと思ったよりも暗い悲しそうな声が出た

自分でもびっくりした

「？どうかしたんですか？」

不安そうな心配した表情で下から僕を見るA

「僕、今日、病院を出て行くんだ」

「え…そうなんですか…」

「…うん」

あぁ、これから君とは会えないのかな

この病院に来れば会えるのは会える、

だけど、わざわざ会いに来られるなんて図々しいだろう

考えが下向きになっていると、Aが、けど、と呟いた

「…けど、一生会えないわけじゃないんですから暇な時とか気軽に遊びに来てください！」

病院ですけど、と照れたように綺麗にはにかむA

…今、彼女はなんと…？

会いに来てもいい…？

僕はおそるおそる尋ねる

「…僕が来て、図々しくないのかい？」

「何言ってるんですか！恭弥さんはもう友達でしょ？図々しいとかありませーん！」

えへへ、そう言ってまた照れたようにはにかむA

…今、ものすごく全力でガッツポーズしたい

「…ふ、じゃあまた会いにくるよ」

嬉しくて笑い声がこぼれる

ほんと、彼女には敵わないね

「…へへ、待ってますね」

僕につられるように彼女も笑う

「じゃあ…またね」

「はい、…また」

…絶対、会いにこよう