華麗にただ。睨む ページ5
「す、すまんA…」
「いーや、むしろ手こずらせたしね。ボトル洗ってビブス洗ったらとっとと帰るからさ」
「おう」
別に今日、放課後話しただけで山本と特別仲がいい訳では無い。
でもいいやつなのはわかったというか。本当に真っ直ぐな男なんだと思った。
「Aってバレーのルール分かるか」
「えー…うーんなんかロールっていうか役割はわからないけどボール落としたら点がもらえる…ぐらい？」
「ゲームこのあとするから少し見ないか」
「ルール私あんまりわからないよ？面白い？わからないスポーツみるのとか」
すこし嫌そうな態度をとってしまった。
バレーは本当に何がどうとか知らない。
「だぁー！今から教えること覚えときゃ面白い！ってなっから！見てくれよ！」
必死にみんなよくこんな懇願するよな…と呆れるまである
「い、1試合？だけね？」
「！、おう」
「山本ｫｰ!はやく雑用終わらせろ！」
「ウッス！すいません！」
ボトルもいつも持ってる水筒とは違う。
なんかどうやって飲むんだろ。
「A」
「ん？」
「音駒のバレーは面白いぞ」
「かっこつけんなもちょ助」
「も…！？」
.
.
別に見学でもなんでもないから得点ボードから近くで突っ立って見る。
一応ジャージ、買ったばっかですごいまだ不思議な匂いがする。
「山本ー！レフト！」
「ウッス！先輩」
「ｯｼｬｱ!」
ルールはわからないけどあんなに跳ぶんだって関心はする。
山本もでっかいのにコートに入ると普通のタッパだなって感じがする。
そっか、バレーやる人ってみんなおっきいんだ。
色んな人がいる。髪が逆だってる人とか明らかにスポーツする様なこじゃないだろーなーとか坊主の人とかいる。
坊主は剣友会によくいたなーとか思う、野球にもいたな。
でも後ろの端っこにいる、虎視眈々とボールだけをみる彼に目がいった。
「(なんか、すごい集中力)」
山本とはちがう。綺麗な助走みたいなの、ただ我武者羅じゃない感じ。
声が勢いで漏れてるだけで山本みたいに掛け声はださない。
アニメとかで見る。ネズミを狩る猫みたいな、ただボールだけを狙ってる。
選手はただ一身に楽しさを求めてプレーするのって共通なんだ＿
軽いゲームだから山本のチームが5点とったらすぐ終わったけどこれがもっと続くんだ。本当の試合はもっと長い。
きっとバレーは、もっともっと面白い
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作者名：ひいな | 作成日時：2024年2月23日 2時
