宣戦布告1 ページ2
同輩「お、A!まーた才子にすっぽ抜かされたのか?」
『大正解!良いからさっさと行って、ご飯まずくなる』
同輩「へいへい…」
同期のからかいをシッシッと片手で受け流しつつ、一人でカレーをかき込む昼休み。
私────有馬Aは机に置いたスマホをひと睨みし、人知れず溜息を吐いた。
昼ご飯の約束をしたメシ友達、米林才子からLINEで《ママンに呼び出された!Aすまぬ》と来たのが数分前。
他の友達たちはほぼお弁当を持って来ている勢のため食堂にわざわざ来る人なんてオッサ…上官方しかおらず、“一応”女の子であるAは食堂の隅で独り寂しくカレー大盛りを平らげている次第である。
上司「おっ!有馬の娘は今日も良い食いっぷりだな」
上司「うんうん。流石は有馬貴将の娘だ」
『…』
たまに聞こえる《有馬信者》の方々の声は正直言って非常に心苦しい。
だって私…養子だから!血縁関係ゼロ!
髪の色がたまたまド被りしたから実子と間違われやすいけど!
ごめんなさいね、私あんなに強くもなければ寝惚けて目覚まし時計握り潰すような天然でもないんですよ上官方!
しかし捜査官成り立てホヤホヤの私がいきなり上官達に反論出来る訳がない。
だから当分は大人しく受け流す、聞き流す、適当にやり過ごす。
これが極意だ。…何の、と聞かれても困るが。
なんて呑気にどうでも良い事を考えていると、不意にぞくりと背筋を妙な寒気が駆け抜けた。
?「A三等ぉ〜?」
げっ!!!(心の声)
背後から私の名前を呼んで来る、何ともねちっこく嫌味ったらしい声。
声音だけで私をこんなに不快にさせるという、或る意味で天才的なスキルを持つ人間と言えば…心当たりは一人しかいない。
…いや待て。“ヤツ”は私がオフィスを立った時、まだ仕事中だった筈。
食堂なんかに居るわけがない。
そうだ、きっと幻聴か何かで…
?「おや、そのお耳はお飾りですか?A三等」
訂正。やっぱ“ヤツ”だ、この声は。
絶妙に私の怒りを刺激する言葉選びのセンスに薄らとした殺意さえ湧く。
私は咥えていたスプーンをがちゃんと音を立てて皿に置き、可能な限り不機嫌な表情を作って後ろを振り仰いだ。
『…何の用ですか、旧多一等…』
旧多「一応聞こえてるみたいですね。いやぁ〜ヨカッタヨカッタ」
『…ちっ』
旧多「ん〜?気の所為かなぁ、いま舌打ちしませんでした?」
『何のことでしょう』
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう!(笑)閲読有難うございます〜! (2019年1月23日 19時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ハァハァ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです!尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です! (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます!2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきざわ | 作成日時:2018年12月16日 18時