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既に一緒にいるへウォン達に
連絡を取ると、ロビーで座っていると教えてくれた。
話してしまったら泣いてしまう、
姿を見るだけでいいの。
そう思っていたけど、
EB「…いた」
純喜くんの姿を見ると、
そんなこと到底無理だと思った。
HW「ウンビ!A!」
私たちに気づいたへウォンが名前を呼ぶと、
振り返った純喜くんと目が合う。
でもすぐに逸らされてしまった。
……昨日の今日だ、仕方ない。
きっと嫌な思いさせたし、幻滅されたかも。
横に座っている拓実くんが
純喜くんに何やら怒っているのがわかる
もう!って肩を叩いたあと、私の元に来てくれた。
拓「…ヌナ!来てくれたんですね、会えへんかと思ってました」
「遅くなっちゃった、ごめんね」
拓「いいんです、もうちょっとで検査場入らなあかんくて…」
「そっか、じゃあここまでだ」
チケットを持っていない私たちは、
この保安検査場より先へは進めない。
拓「でも、すぐ会えますよね」
「…うん、そうだね」
拓「俺、もっと頑張るから、ヌナ見ててね」
上目遣いでもないし、なんなら拓実くんの方が大きいし
ただ普通に喋ってるだけなんだけど…
なんか可愛くて気付いたら頭を撫でてた。
背伸びして頑張って手を伸ばしてる
今の私 結構面白いと思うけど。
「よる遅くまで、ゲーム、だめだよ?」
拓「え〜それは、」
純「なんしてん」
そんな私の手首を掴んで、
ムスッとした顔の純喜くんが突然やってきた。
純「長いねん拓実」
拓「いや酷!さっきまで、もうAとは話さへん〜とか言うてたくせに!」
純「おい、それ言うなや」
拓「俺に嫉妬せんといて!俺やってAヌナと仲良いんやから」
純「知らんし、頭撫でられんな」
拓「なんで俺が怒られなあかんの!もー純喜くんいや!」
純「いやちゃうわ、あと敬語使え」
目の前で繰り広げられるバチバチの小競り合いに
逃げたいけど、純喜くんに捕まっててどうも動けない。
蓮くん〜!って、拗ねた拓実くんは
メンバーの元に行ってしまった。
そして残される気まずすぎる私たち。
純「………ここじゃ無理、こっち来て」
手を離されることなく、
そのまま反対方向に歩き出した。
「もう行かなきゃ、純喜くんっ、どこいくの」
その大きな背中に声をかけても
彼は返事をしてくれなかった。
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作者名:ナビ | 作成日時:2021年9月10日 18時