恋に落ちたら (ページ23)

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近いとは聞いていたけど

本当に事務所から歩いて10分もかからない
ぽつん、とある屋台だった。

『어서 오세요,어? 어제 왔던 애 아니야?(いらっしゃい、あれ?昨日来た子じゃない?)』

純「안녕하세요 !(こんにちは!)」

わ〜よく来たね、とニコニコしているおばあさん。

物凄く人が良さそうだと思った。
後ろにいる私に気づいて、お？と声を上げる。

「안녕하세요(こんにちは)」

『어머, 여자친구야?(まあ、彼女かい?)』

「…아니에요!(…違います!)」

否定はしたものの、すぐ私は顔が赤くなるから
嘘つかなくてもいいのよ〜と笑われた。

嘘じゃないのに…

純喜くんの彼女なんて、私には到底無理な話。

なんって？と聞かれたけど、
なんでもない！と答えておいた。

「トッポギがおいしいんでしょ？」

純「そう！でも他のも食べてみたいねんな」

「これ人気だよ、韓国で」

指さしたのはタッカンジョン。
甘辛いチキンは、多分日本人も好きな味。

純「それも食べよ、あと俺チャプチェも食べたい」

「うん！いいね」

それぞれ一人前ずつ頼んだけど、
気前のいいおばあさんが全てサービスで多めにくれた。

「할머니 감사합니다.(おばあさんありがとうございます)」

『괜찮아, 귀여우니까 말이야(いいんだよ、可愛いからね)』

純「可愛いって？」

「あっ、もう、分からなくていいの！」

恥ずかしいところを聞きとっちゃうんだから大変。

お会計しようとしたけど、
出さなくていいと頑なに断られて奢ってもらってしまった。

「純喜くん、ごめんね」

純「俺が誘ったんやからあたりまえやん！」

「…ありがとう」

近くの公園に向かい
ベンチに座って、買ったものを広げる。

純「はい、食べて！」

爪楊枝に指したトッポギを貰おうとしたけど
ブンブンと首を振られるから
そのまま、純喜くんにあーんされてしまった…

「…っおいひい、です」

純「はは、顔赤いねんて、でもうまいやろ？」

「…うん、ほんとにおいしい」

よかったあ！と嬉しそうな純喜くん。