32% ページ16
そろそろやばい…
頭も痛いし、逃げたいし、
ヒョヌさんの行動はエスカレートして
話だってプライベートのことを聞くようになった。
涙が出そうになった時、
聞き覚えのある声と、知ってる匂いがした。
…純喜くんだ、見なくてもわかる。
彼は私の目をじっと見て
メイクの話があるやろ？、と言ってきた
一瞬なんのこと、と思ったけど
すぐに分かった。助けようとしてくれてる。
どうにかヒョヌさんに嘘をついて、
外の見知らぬ公園に着いた。
冷たい風が今の私には気持ちよかった。
ぎゅっと握っていた腕から手を離す。
……恥ずかしい、こんな姿見せて
「…あの…っごめん…ね」
純「なんで？俺こそごめん、もっと早く行けばよかったんやけど」
「…えっ」
純「男に話しかけられてたの知ってたけど、どうすればいいんか分からへんくて…」
ここまでなる前に助けたかった、
そう言って 目にかかった前髪に触れられた。
「……っ」
純「……………ごめん」
固まる私に、気まずそうにスッと手を引いた純喜くん
…そう、じゃなくて、ただ、ドキドキして。
なのに、何も言葉が出てこない
酔いのせいもあるのか、日本語が出ない
悔しい、言いたい、なのに言えない
ありがとうもまだ言えてないのに、
なんて考えていると涙がポロポロ出てきた。
純「…っまって、ごめん、」
「…ちが、純喜くん、ちがう」
私から距離を取ろうとするから、
咄嗟に手首をぎゅっと握った。
「…ちがうの、ありがとうとか、うれしい、とか
言いたいことはあるの…」
純「…うん」
「でも、日本語が…でなくて、お酒ものんだし、ごめんね、わるい意味じゃないの」
純喜くんは何も言わなくて、
ただ、私の涙を指で拭ってくれた。
「…純喜くんがいて、よかった、ほんとに」
ありがとう、目を見てそう言うと
一瞬目を見開いて、下を俯いてしまった。
「……どうしたの、」
純「…伝わってる、分かってる、ただちょっと待って」
分かってる、その言葉で安心はしたけど
何を悩んでいるのか 彼は顔をあげない。
暫くして掴んだままだった手首から手を離すと
次はその手を逆に掴まれて、手を繋がれた。
「…えっ」
純「あかんよな、こういうの」
何も答えられないでいると、
ゆっくり私の方を見て
純「どうしたらええと思う？」
そう聞かれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナビ | 作成日時：2021年9月10日 18時
