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『すいません、お風呂借りました。』
ホテルに備え付けられている浴衣を身に纏う。
彼はグラスを片手にこちらを見る。
「おーーいいってことよ。ホラ、こっち座んな。」
ソファをポンポンと叩く。
「お姉さんお酒飲める?っつってもおじさんの好みだから美味しくないかもだけど」
『飲めます、私このお酒好きです。』
少しなら気を許してもいいだろうか。
ふわっと微笑みながら返せば彼もまた優しく微笑む。
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『零さん面白いんですね、もっと怖い人だと思ってました』
「お、本当に?おじさんAちゃんみたいな綺麗な人にそう言われて嬉しいぜ」
零さん、人と話すの慣れてるな…。
なにか接客的なお仕事についているんだろうか。
接客じゃなくてもなにか人と関わる仕事なのは間違いない。
そう感じるほど話すのが上手かった。
『なんで私にそんなに優しくしてくれるんですか?』
"私たち初対面なのに"
言葉を足して零さんに伝える。
「なんでだろうねェ、」
グラスに残ったお酒を一気に流し込む零さん。
「強いて言えばほっとけなかったから。かな??」
"こんなきれいなお姉さんほっとけるわけないじゃん"
私の頭を撫でながら愛おしそうに見つめる。
『零さん女性の扱い慣れてますね、私以外の女性だったら惚れてますよ〜』
とかいいつつ私も惚れそうになりそうだった。
この人の術中にハマっちゃダメだ。
きっとこの人から抜け出せなくなってしまうから。
「…俺は結構真剣なんだけどねェ、Aちゃん。」
『…え、???』
向き合う零さん。
その真剣な眼差しにまたドキッとしてしまう。
きっとお酒のせい。このドキドキは恋愛的なものじゃない。
「おじさん、Aちゃんに一目惚れしちゃった。」
胸が高鳴る。
心臓の鼓動が早くなるのが分かる。
ダメだ。別れたばっかりだし流石に会った人とすぐにそういう関係になるほど私はチョロくない。
そう思うけど思考は上手くまとまらない。
『零さん…』
俯く私を零さんは顎をクイッと持ち上げてキスをおとす。
「その表情もたまんないねェ」
また更にキスをおとす。
「返事は何時でもいい。ただ今夜はAちゃんをおじさんだけに独占させてほしい。」
気づけば零さんの腕の中にいた。
冷たい土砂降りの外とは真逆で甘くてとろけそうな空間が広がる。
今夜もまた夜が更けていく。
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AYA - 例えば、(実は)夢主と両片想いな夢野先生が親しい男友達と街中で遊ぶ夢主の姿を街中で偶然、見掛けてヤキモチを妬く…みたいな?それでは長文、失礼致しました。 (2021年11月2日 6時) (レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
AYA - 初めまして、初コメ失礼致します。リクエスト宜しいでしょうか?今のところ、見た限り夢野先生の話が一つも無いようなので夢野先生の嫉妬話、読んでみたいです。 (2021年11月2日 6時) (レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
おたくちゃん - リクエストいいですか?入間銃兎様でデートお願いしたいです!!更新頑張って下さい! (2021年10月25日 20時) (レス) id: f5fd602faa (このIDを非表示/違反報告)
凛紺 - リクエストで『意外』の続編で文化祭の話を読みたいです!更新頑張ってください! (2020年9月25日 21時) (レス) id: 3f969df549 (このIDを非表示/違反報告)
www(アメーババババ)(プロフ) - リクエストいいですか?四十物 十四で添い寝、をお願いします!!作者様の書くキャラたちが好きなので受けてくださると嬉しいです! (2020年4月14日 19時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お豆腐は嫁 | 作成日時:2020年4月8日 21時