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あの後、俺はAちゃんのお見舞いに行くために病院に通いつめた。
日々衰弱していく彼女。
"心配かけてごめんね独歩くん。絶対元気になってまた独歩くんと出かけるんだから!!"
なんて言ってた彼女はどこへ行ったのだろうか。
目の前にいる彼女は酸素マスクを付けて眠ったままだ。
「…Aちゃん。一緒に出かけた時ほんとに楽しかったんだ。誘われたのもほんとに嬉しくて…。」
ぽつりぽつりと言葉が溢れてくる。
「お揃いのピアスも買えて俺嬉しすぎて…あの後同棲してるやつにピアス穴開けてもらって毎日ピアスつけてるんだ。」
あ、やべ…泣きそう。
「こんなに人を好きになれたの…Aちゃんが初めてなんだ…」
そんなこと言っても彼女は眠ったまま。
ベッドサイドモニターが表示している脈は徐々に下がってきた。
…嘘だろ。Aちゃんほんとに死んじゃうのか…?
「ッ!!ほんとに好きで!!!Aちゃんの隣を歩けるような男になるから…ッ!!…まだ…」
"逝かないでくれ"
なんて言おうとしたけどその願いは叶わなくて。
ベッドサイドモニターが示す文字は0と真っ直ぐな脈拍の表示。
俺はただ泣きじゃくるしか無かった。
スーツの袖はもうびしょびしょになっていた。
「独歩くん。」
ドアの入口に立っていた先生。
先生は俺に封筒を渡してきた。
「Aさんから…独歩くんに渡すように言われてたんだ。」
「Aちゃんが…?」
なんだろうと思い、俺は封筒をあけた。
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独歩くんへ
今これを読んでるってことは私は死んじゃったかな。
一緒に出かけた時心配かけちゃってごめんね。
でも独歩くんと出かけられたの嬉しかったし楽しかった。
いつも一生懸命に仕事してて真面目な独歩くんに惹かれていました。
死んだ後に言っても遅いかもだけど独歩くんに伝えたいことがあります。
独歩くんの事が好きでした。
今までたくさん話したり一緒に出かけたりしてくれてありがとう。
Aより。
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「…ッ!!! …両想い…だっ、た…???」
「Aさんはいつも独歩くんの事を楽しそうに話していたよ。」
先生にそう言われて目の前で安らかに眠る彼女を見つめた。
「俺も好きだよ。Aちゃん。」
まだ温もりがあるAちゃんの手を握った。
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AYA - 例えば、(実は)夢主と両片想いな夢野先生が親しい男友達と街中で遊ぶ夢主の姿を街中で偶然、見掛けてヤキモチを妬く…みたいな?それでは長文、失礼致しました。 (2021年11月2日 6時) (レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
AYA - 初めまして、初コメ失礼致します。リクエスト宜しいでしょうか?今のところ、見た限り夢野先生の話が一つも無いようなので夢野先生の嫉妬話、読んでみたいです。 (2021年11月2日 6時) (レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
おたくちゃん - リクエストいいですか?入間銃兎様でデートお願いしたいです!!更新頑張って下さい! (2021年10月25日 20時) (レス) id: f5fd602faa (このIDを非表示/違反報告)
凛紺 - リクエストで『意外』の続編で文化祭の話を読みたいです!更新頑張ってください! (2020年9月25日 21時) (レス) id: 3f969df549 (このIDを非表示/違反報告)
www(アメーババババ)(プロフ) - リクエストいいですか?四十物 十四で添い寝、をお願いします!!作者様の書くキャラたちが好きなので受けてくださると嬉しいです! (2020年4月14日 19時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お豆腐は嫁 | 作成日時:2020年4月8日 21時