検索窓
今日:29 hit、昨日:33 hit、合計:78,793 hit

Episode.40 ページ40

【マレウスside】

<ディアソムニア寮 談話室>

マ「…今何時だと思っている、クロウリー」

学「急に呼び出したりしてすみませんね」

学「おや?真夜中に制服なんか着て…
これからどこかお出かけに行くんですか?」

マ「廃墟巡りだ」

学「…いいですね!私もご一緒しても???」

…たまにはいいか。







僕はクロウリーと一緒に
静まり返った深夜の学園を散歩した。

マ「僕のお気に入りの廃墟はここだ」

学「昔寮として使われていた建物ですか…」

マ「一人で考え事をするにはもってこいの場所だ」

僕はソファーの上のホコリを風魔法で吹き飛ばした。

学「こほっこほっ…随分大胆ですね…こほっ」

マ「風下にいるお前が悪い」

マ「で、話ってなんだ?」

学「"例の薬"、どうやら使ってもらえたようです」

マ「そうか…」

学「私の甥という設定で入学手続きを済ませました」

マ「ご苦労」

マ「…そうだ、クロウリー。入学式はいつだ?」

学「…はい?」

マ「もうそろそろのはずだが?」

学「(あの人達、またドラコニアくんに…)」

マ「まぁ、入学式があったとしても
どうせ僕は招待されないさ。
僕がいると式典どころじゃなくなるだろ?」

学「…苦笑」

マ「僕はそろそろ寮に戻る、お前は?」

学「もうしばらく散歩したいと思います」

学「では、私はこれにて」

クロウリーはそう言うと、どこかへ消えていった。







<ディアソムニア寮 マレウスの部屋>

マ「……………。リリアのやつ、
また窓を開けたままゲームをしているのか?」

部屋の窓を開けて隣を見ると、
リリアの部屋の窓が少し開いていた。

前に一度窓を閉めに行ったことがあるが、
夜風にあたらないと集中できん!と
訳の分からない怒られ方をしたからな…。

自室の窓を閉めようとした時、突然強い風が吹いた。

すると、ベッドの上に置いてあった本のページが
パラパラとめくれていった。

そして、とある挿絵のページでとまった。

それは、氷の壁に閉じ込められている少女に
王子が口づけをしている絵だった。

マ「…"雪の女王伝説"の一場面か」

この物語がAの辿る運命を表しているとしたら、
誰が彼女を氷の壁から助け出すのだろうか。

助け出した相手はおそらく彼女と結ばれるのだろう。

…。

………。

僕はAの相手役に相応しい人物ではない。

何故なら…
僕は"茨の谷の王子"という肩書きをもった、
破壊者(ドラゴン)なのだから。







……THE END

番外編 その1→←Episode.39



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
281人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひとみ | 作成日時:2020年6月18日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。