陸の虹 ページ9
次の日の朝からの鍛錬は普段やってきたものとは違って楽しかった
鱗滝様が仕掛けてくださった仕掛けの匂いを嗅ぎ分けて山を下る鍛錬
血豆が何度も破れそうになりながらも5000回する素振り
転がし祭り
素振り以外は珍しくて毎日目を輝かせながら鍛錬をする私に声をよくかけてくれたのは意外にも義勇兄様だった
義「そんなに楽しいものか?」
『生家では体験できないような鍛錬ばかりです
それに私は兄様たちのように強くなりたい』
義「お前は充分強い」
『そんなことはございません』
水の呼吸は少し難しい
技を繰り出せても威力は兄様達の4分の1ほど
そんなので強くなれたとは言えない
『強くなりたい
大切な人を守るためなら命だって惜しまない
もっと強くなりたい』
こう思う女の子など街にはいないのだろう
父と街を歩いた時殿方と添い遂げるために可愛く髪を結わえておくれと言っている女人がいた
そこの女の子年はいくつだね?殿方を探してるんならそんな髪型ではいけないよと言ってきた老女がいた
子供ながらに思った
髪型では誤魔化せても殿方は女の本質を見抜いてしまうのではないか
そんなために時間を割くなら書物を読み呼吸を会得し鬼殺隊に入り悪鬼滅殺
醜い鬼をこの世から消すために精進すべきだと
錆「また髪の毛乾かしていないだろ
拭いてやるこっちにおいで」
真「Aちゃんの髪の毛綺麗だよね」
『髪など鬼殺には必要ないです
母譲りの髪ではありますがそれなら私は父譲りの腕力が欲しかったです』
母譲りの髪の毛
綺麗に手入れするのは苦ではなかった
でも父譲りの腕力が欲しかったと何回も思った
『私も錆兎兄様のように技を出せるようになりますか?
私も真菰姉様のように素早く動くことはできるようになりますか?
私も義勇兄様のように強くなれますか?』
私だって強くなりたい
錆兎兄様は呆れたような匂いがした
きっと私は今なにか呆れるようなことを言ったのだろう
真菰姉様は照れている音がした
なにか照れさせることを言ったのでしょう
目一杯目を見開いている義勇兄様の心情は分からなかったけど
ひとつ分かった
義勇兄様は今肝を冷やしている
そんな義勇兄様の様子を見て胸が高鳴ったのは気づかないことにしよう
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ペペロンチーノ | 作成日時:2020年11月1日 1時