弐の虹 ページ4
しのぶ様はとてもお綺麗な方で
とても聡明なお方だった
薬学に長け怪我の治療や藤の花の毒を使った呼吸である蟲の呼吸を見せていただいたときは感銘を受けたのを今でも覚えている
し「Aさんはとても筋のある方ですね」
『そうでございますか?』
し「貴方はまだ7つ、8つと聞いておりましたがまるで16の娘のような落ち着きがあります」
『無自覚ですね』
しのぶ様は私の話を遮らずに聞いてくださった
私にもしのぶ様のような姉がいたら、
兄が追い出されていなければこのような幸福感に満たされていたのだろうか…
し「難しい顔をしていますよ
眉間に皺がよっています」
『しのぶ様、』
し「私がAさんのお友達になりましょう」
『へ?』
し「丁度私たちの継子も貴方と同い年くらいなのです
カナヲも連れてこれば良かったですね」
初めてだった
今までこの屋敷に来た人は
「飲み込みが早いね」「早く入隊してほしい」
等々胡散臭い言葉を並べられた
でもしのぶ様は違う
第六感まで感覚がある私だから分かったのだろう
し「Aさんは第六感ありますね?」
『うぐ、なぜその事を?』
し「勘です」
『しのぶ様の方こそ第六感がおありになるのでは?』
し「女の勘ってやつですよ?」
『ひぐ、』
し「まぁ、なんと可愛らしい反応
あら、もう休憩は終わりのようです
あと2回ほど手合せを致しましょう」
『はい!お願いします!』
しのぶ様の手合せはとても軽やかで素早い
当時8つの私にはとてもいい手合せだった
この二年後私は元水柱鱗滝左近次様の元へと修行に出されることは知る由もなかった
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作者名:ペペロンチーノ | 作成日時:2020年11月1日 1時