Recall me-Recall you 【冨岡義勇】 (ページ16)

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拾参の虹ページ16

虹柱邸に近くなるにつれ

血の匂いが混じってきた

虹柱邸のから……血の匂い……？

虹柱邸から

血と鬼の匂いがする……？

お父様……！

お母様……！

何故こんなに

鬼の匂いが強くするの……！

『お父様……！お母様……！
ご無事ですか？！なぜこのような惨状に……！』

重い扉を開けて中に入ると

誰のものなのか分からない血

屋敷に務めてくれていた隠の人達の遺体

『……っ！お、お母様……！』

気づいてしまった

血だらけになって目に光を灯していない

優しい母の骸を

そんな母を貪っている

父に似た鬼を

鬼がこちらを見る

それは、果たして

『お父様……？！何故鬼に！』
藤「グルルルッガァーーー！」

こちらを向いた鬼は

鬼殺隊虹柱

我が父、不堂藤冴だった

私は、稀血

その血の匂いで鬼が酩酊するほどの

たとえ親であろうとも

斬らなければ、ならない

ゆっくりと日輪刀を取り出す

刀を持つ手が震える

藤「グァァァァァ！」

お父様申し訳ありません

Aは鬼殺隊には入隊しました

あなたの意思は私が受け継ぎます

貴方の頸を斬ることをお許しください

『虹の呼吸捌ノ型白虹の恋詩』

頸が斬れた

塵になってゆく父は

微笑みながら泣いていた

そして、消えていった

『お、お母様……！
嫌っ、返事をしてください……！
何があったのですか……？お母様！』

冷たくなった母の骸を抱き締めながら

呼びかけても

返事はなかった

私は

そこで

意識を手放した

No side

？「よもや！A？！」
？「まさか、この女が藤冴さん斬ったのか？
信用しない信用しない」
？「菊花…！Aさんは意識を失っているだけですから直ぐに処置します」
？「まぁ！Aちゃん…！」
？「こいつが、藤冴さんを？派手にすげぇやつだ」
？「そしてこいつが虹の隊士ってことかァ」
？「嗚呼、まだ幼いのに……親を鬼にされて……その頸を斬ったのか……南無阿弥陀仏……」
？「この子、誰なの？」
？「……A」

7人の男と2人の女が虹柱邸に着いた時

もぬけの殻になった隊服

血だらけの胡蝶菊花

そして気を失った

不堂Aが横たわっていた